温泉トラフグの魅力満喫 【負けない 新型コロナ】那珂川町観光協会とJTB企画 誕生の地探訪 料理味わう

下野新聞
2022年1月24日

 【那珂川】町観光協会と旅行大手JTB主催の観光イベント「海なし県でとらふぐ!?温泉トラフグの魅力を探る体験イベント」がこのほど、町内で初めて開かれた。一般参加者やJTBに任命された本県のPRアンバサダーら10人がマイカーで移動しながら、温泉トラフグ誕生にまつわる場所や養殖施設など3カ所を訪ね、町が誇る特産品の人気と美味への理解を深めた。

 同協会は町の委託事業として新型コロナウイルス禍を踏まえた新たな観光振興策を模索しており、昨秋実施した野生イノシシ肉「八溝ししまる」のツアーに続き、今回の企画を練った。

 参加者は久那瀬の馬頭高水産科実習場に集合した。同実習場はかつて人工海水でトラフグを飼育し、それを見た温泉トラフグの生みの親、野口勝明(のぐちかつあき)さん=2020年に63歳で他界=が「温泉水でトラフグを育てられないか」と着想を得た場所。参加者は実習助手らからこの逸話の説明を受け、チョウザメなどの飼育状況も見学した。

 続いて一行は現在、温泉トラフグの生産を手掛ける「岩商」(小川)の養殖施設を訪問。塩分濃度が低い温泉水の水槽で1年間飼育したトラフグを、出荷12時間前に濃度の高い水槽へ移す「味上げ」により、うま味を増す工夫を学び、直径4メートルの水槽を泳ぐトラフグもじっくり観察した。

 最後は大山田下郷の「御前岩物産センター」で、ふぐ刺し、天ぷら、から揚げ、雑炊など温泉トラフグずくめの特別メニューを堪能。

 宇都宮市、会社員男性(50)は「食事も絶品。とても勉強になった。宣伝に力を入れれば魅力がさらに伝わるはず」と満喫していた。

 イベントは2月18日午前10時~午後0時半にも開催予定。マイカーやレンタカーで参加する。参加費5千円。定員12人。コロナ感染拡大状況によっては中止の可能性もある。

 (問)町観光協会0287・92・5757。