偕楽園「左近の桜」復活へ寄付2927万円 目標上回る

茨城新聞
2022年1月26日

2019年の台風15号被害で倒木した偕楽園(水戸市)のヤマザクラ「左近の桜」復活を目指し進めていた寄付金募集について、茨城県は寄付額が2927万円に達したと発表。目標額の2500万円を上回ったことから、募集を終了した。

県都市整備課によると、寄付は個人147人、企業など34団体から申し込みがあった。100万円以上を寄付した21人・団体には、倒木した左近の桜で制作した感謝状が贈られる。苗木は昨年3月に宮内庁から提供を受けており、今年11月~来年3月までの間に植樹する計画だ。

県は当初、1年ほどの募集期間を予定していた。想定を上回るペースに、同課は「復活を願う思いの表れでは。着実に整備を進めていきたい」と話した。

偕楽園の左近の桜は、水戸藩9代藩主徳川斉昭の正室、登美宮吉子が降嫁した際、京都御所紫宸殿(ししんでん)の左近の桜の苗木を仁孝天皇から贈られたもの。当初は弘道館に植えられ、枯れた後の1963年には宮内庁から後継の苗木提供を受け、偕楽園に植樹されていた。