「ご地層ショコラ」発売 那須烏山 地元店や市民団体が開発 ジオパーク構想PRに

下野新聞
2022年1月10日

 【那須烏山】市内の人気観光スポット「龍門の滝」をイメージしたチョコレートケーキ「ご地層ショコラ」がこのほど完成し、滝に隣接する龍門ふるさと民芸館などで発売された。市の魅力をPRする新たな土産品を開発しようと、地元の菓子職人らが奮起。ガトーショコラなどで滝の地層を再現したユニークな新スイーツに仕上げた。

 龍門の滝の地層は、上部が礫岩(れきがん)の一種、下部が火山灰や溶岩のかけらで構成されている。ご地層ショコラは、この2層構造を上部のガトーショコラ、下部のテリーヌショコラで再現。表面にはホワイトチョコを滝水のように流しかけ、ケーキの中には岩石をイメージしたクルミとオレンジピールを混ぜ込んだ。

 開発に当たったのは金井1丁目の和洋菓子店「パティスリーヒラサワ」の平沢諒太(ひらさわりょうた)さん(36)。昨夏、民芸館を運営する市観光協会から「市の魅力を発信する新しい土産品を開発してほしい」と依頼され、市が認定を目指すジオパーク構想をPRする商品コンセプトに挑んだ。ジオパークは地球・大地(ジオ)と公園(パーク)の造語で、県外のジオパーク認定地には地層や化石を再現した菓子が多いという。

 平沢さんは妻里美(さとみ)さん(33)や、ジオパーク構想の推進に尽力する市民団体「なすからジオの会プチェーロ」と協力し、約3カ月間で20回もの試作を重ねた。「関係者の豊富なアイデアを一つにまとめるのに苦労したが、その分、納得できるものができた」と胸を張る。

 プチェーロは箱に添えるリーフレットのデザインも手掛け、滝周辺の観光スポットやジオパークについて紹介している。

 事務局の中山雅彦(なかやままさひこ)さん(63)は「念願の『ジオパーク菓子』実現に感謝。市民も観光客も市の新たな名物を味わいながら、構想への関心を高めてほしい」と願う。

 1個170円、6個入り1200円。龍門ふるさと民芸館、山あげ会館、パティスリーヒラサワで販売。ヒラサワのオンラインショップで1本(12個相当)でも販売している。

 (問)同民芸館0287・83・2765。