《食いこ》130年の趣 くつろぎ、交流 Cafe&Gallery Kaya(水戸市)

茨城新聞
2022年1月12日

常磐道水戸インターチェンジの近くにたたずむカフェ。築約130年の古民家をリノベーションした同店は、オーナーの茅野務さん(66)、ひろみさん(60)夫妻が手作りするランチやデザートなどが楽しめる。昼時にはほぼ満席になるといい、「こんなにたくさんのお客さまに来ていただけるとは思っていなかった。とてもありがたい」と2人はほほ笑む。

カフェは築約130年の古民家を改修した

 

同店はもともと務さんの実家で、代々住み継がれてきたが、両親が亡くなってからは空き家になっていた。「なんとか家を残して活用したいと思った」と務さん。退職後を視野に入れ、「親戚や友人など、誰にでも来てもらえる上、自分たちも楽しんで経営できるのではないか」として、カフェにすることを決めた。交流が生まれる場を目指し、ギャラリーも併設する。

店内には梁(はり)や建具など、古民家の趣ある部分が残っている。「お年寄りのお客さんにはよく『懐かしい』と言ってもらえる」とひろみさん。ほかにも、木馬や秤(はかり)といった昔使われた道具を飾ったり、衣類などをしまうのに使う「行李(こうり)」と呼ばれるかごを荷物入れにしたりと、古き良きものをインテリアに取り入れる。

提供するのは、季節の食材をふんだんに使った「プレートランチ」(1200円)。「おいしくて体に優しく、家庭では作らないようなものを出したかった」。ひろみさんが言うように、取材に訪れた日はダイコンの竜田揚げや、クミンシードを入れたニンジンとゴボウのきんぴらといった珍しい総菜が、彩りよく並んでいた。

デザートは「生ガトーショコラ」や「リンゴとナッツのNYチーズケーキ」など、日替わりで数種類を用意する。フレンチプレスで入れたブレンドコーヒーの「ひだまりカフェ」や、ポットで提供する紅茶「アッサムスペシャル」は、2人のお薦めだ。

昨年11月にオープンし、口コミなどをきっかけに若者からお年寄りまで、幅広い年代の客が訪れるようになった。「古民家のゆったりとした雰囲気を味わいつつ、くつろぎや交流の場にしてもらいたい」。第二の人生の夢を思い描きながら、訪れた人がほっとできるような夫婦理想の空間を目指す。

■お出かけ情報
Cafe&Gallery Kaya
▼住所は水戸市金谷町301
▼営業時間は午前11時半~午後5時。
▼定休は月、火、金曜日。
▼(電)029(251)8076
※ランチは予約がおすすめ