ブリュナエンジン復元 動態展示へ弾み

上毛新聞
2015年12月23日

蒸気エンジン始動―。富岡商工会議所が2012年に富岡市から委託を受けて始めた富岡製糸場開設期の蒸気機関「ブリュナエンジン」の復元プロジェクトが17日、大きな節目を迎えた。博物館明治村(愛知県犬山市)で展示されている実物を、富岡市内の38社でつくるブリュナエンジン製作委員会の技術者らが調査して設計図を描き、部品を特注。1カ月かけて組み立てた実物大レプリカが同日、市内の工場で蒸気によって動き出した。製糸場での動態展示に向けて弾みが付きそうだ。

ブリュナエンジンは、富岡製糸場建設を主導したポール・ブリュナが、祖国フランスから輸入した蒸気機関。繰糸機など製糸場設備の動力源として約50年間使われた。シリンダー部、フライホイール(直径2・5メートル、1・2トン)が付いた出力部、ガバナー(制御)部からなり、全長3・8メートル、奥行き2・4メートル。
技術者たちは昨年、設計図を基に透明なアクリル樹脂で5分の1サイズのレプリカを作製。蒸気を使った動作実験もして実物大レプリカ製作に万全を期した。市から本年度、2千万円の補助を受けて部品を発注し、先月18日から連日、組み立て作業に当たった。
この日、製作委員会の野口十九一委員長はプロジェクトの経過や各部の設計者らを紹介。「富岡の工業界のシンボルとして始まった。一丸となって取り組んだ皆さんに感謝したい」と語った。
関係者が見守る中、ボイラーを点火すると白い湯気が立ち上がり、シリンダーのピストンが作動。連結軸、クランク軸に伝わり、フライホイールが回り始めた。ガバナー部を担当した大嶋新二さん(66)は「内部の見えない部分の設計が一番苦労した。うまく動いてくれてうれしい」と笑顔を見せた。
実験を見守った同商議所の小堀良夫会頭は「富岡ブランドという富岡だけのものを『富岡スピリッツ』、心で実現した」と横断幕を掲げながら、技術者をたたえた。「今後も富岡ブランドを確立し、充実したまちづくりにつなげていきたい」と話した。
岩井賢太郎市長は「皆さんが本気で作ったブリュナエンジンを市は製糸場内に飾る責任がある。16年度に展示施設を整備し17年度に繰糸機を動かせるようにしたい」と抱負を語った。

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