フナ甘露煮作り最盛期 茨城・古河

茨城新聞
2021年12月28日

茨城県古河市の郷土料理で、正月の食卓に上るフナの甘露煮作りが最盛期を迎えた。市内の甘露煮店では湯気と独特の甘い香りを漂わせながら、早朝から深夜まで、仕込み作業に追われている。

1902年創業の「野村甘露煮店」(同市本町4丁目)は、独自の調味料が引き出すさっぱりとした甘さが特徴。12月は年間生産量の6割超に当たる約1.5トンを生産する。

直径約60センチの鍋に素焼きしたフナ約800匹(約16キロ)を入れ、水と砂糖だけで約8時間煮込む。次に調味料、続いて水あめを加え、さらに約2時間。仕上がると、あめ色に染まったフナが光に照らされて輝く。

野村則之社長(49)は「骨まで軟らかくし、素材の甘みを引き出すため、ゆっくり煮込むのがポイント。正月のめでたい一品として食卓に並べてほしい」。仕込みは大みそかの31日まで続く。

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