上毛新聞
2021年12月15日

 1971年に放送が始まった「仮面ライダーシリーズ」が今年、50周年を迎えた。令和になって放送されているのが、人と人工知能(AI)との共存と葛藤を描いた「仮面ライダーゼロワン」(2019~20年)、聖剣を手に本の力で戦う「仮面ライダーセイバー」(20~21年)。9月からは「仮面ライダーリバイス」がスタートした(いずれもテレビ朝日)。

 同作は、銭湯を経営する五十嵐家の長男で主人公の一輝(前田拳太郎)が変身する仮面ライダーリバイと、内に宿る悪魔・バイス(声・木村昴)がタッグを組み、リバイスとして戦う異色の作品だ。

 仮面ライダーライブに変身する一輝の弟、大二を演じるのは、群馬県出身で17歳の俳優、日向亘。悪魔・カゲロウ(日向二役)を内に宿す重要な役だ。主題歌は伊勢崎市出身のパフォーマー、和田颯が所属する「Da―iCE」らが担当する。

 シリーズは、幅広い層に人気の日本を代表する特撮ヒーロー番組で、若手俳優の登竜門となるなど女性ファンも獲得。県内では、卯三郎こけし(榛東村)がシリーズのかわいらしいこけしを販売するなど盛り上がりを見せている。

(1)Gメッセ群馬 (高崎市岩押町)

 リバイス第11話で一輝の妹、さくら(井本彩花)が駆け付けた病院で、第11、12話のバトルシーンでも登場。ゼロワンや劇場版「仮面ライダーゼロワン REAL×TIME」、セイバーも撮影された。

(2)県庁と県警 (前橋市大手町)

 セイバー第1章の冒頭で、主人公の神山飛羽真(内藤秀一郎)が見ていた夢の中で爆破された。オープニングテーマで飛羽真たち幼なじみ3人が本を読むシーンは敷地内の議会庁舎前の松の木がある芝生で撮影された。

(3)源泉湯の宿 松乃井 (みなかみ町湯原)

 リバイス第8話で、五十嵐家が家族旅行で訪れたホテルとして登場。3日間かけて温泉や客室など全館を使って撮影された。中庭で日向が演じる悪魔・カゲロウが仮面ライダーエビルに初変身した。

(4)前橋市水道局敷島浄水場 (前橋市敷島町)

 ゼロワン第17話で、国登録有形文化財の旧配水塔付近や配水池などでバトルシーンが展開された。

(5)ザ・ジョージアンハウス1997 (高崎市江木町)

 本館のロイヤルルームがセイバーの敵対勢力の本の魔人・メギドの幹部たちのアジトとして使われた。同館はKis―My―Ft2や東方神起、倖田來未のミュージックビデオやさまざまなドラマのロケ地としても使用されている。

取材後記 ロケ地に親子連れ 

 昭和はほとんどが実写だったが、令和では多彩なCG技術が活用されている。ただ「変身!」して悪に立ち向かう姿は変わらない。松乃井によると、ロケ地だと知った親子連れや仮面ライダーシリーズのファンも訪れているという。世代を超えて愛されている作品だと実感した。