《旬もの》ポインセチア、人気のリース形 大久保花園(茨城県鉾田市)

茨城新聞
2021年12月7日

クリスマスシーズンに人気のポインセチア。赤い色に加え、「聖夜」の花言葉を持つことから、この時季に飾られるようになったとされている。最近では、リースやツリーの形をした鉢植えが登場したり、定番の赤以外にも、白や淡い色など、種類が豊富になっている。

ポインセチアやアジサイを栽培する茨城県鉾田市大和田の「大久保花園」では、紅白のリース形のポインセチアが並び、出荷の時を待っていた。「ありがたいことに、買いたいという電話がたくさん入っている」と代表の大久保三男さん(61)。手掛けたリース形のポインセチアは、今年11月に開かれた県鉢物品評会で最高の知事賞に輝いた。その影響か、今年はリース形の注文が以前よりも増えたという。

人気のリース形は、「仕立てるのが難しい」と大久保さん。鉢に2本植えたポインセチアの茎を、針金で作った輪に左右から沿わせて固定する。「きれいな円形になるよう、左右をバランスよく育てることが大事」といい、生育状況の確認などに気を付けている。茎を固定する時期は、育ちすぎると固くなって折れてしまうことがあるため、「見極めが欠かせない」。

同園ではほかに、底辺から上にいくほど細くなるツリー形や、リースを並べたアーチ形も作る。「バリエーションがあった方が、お客さんも選びやすいだろうから」と大久保さん。消費者目線は育てる色にも表れ、薄ピンク、淡い緑、ゴールドなどさまざま。「どういうものが喜ばれるのか、常に情報収集している」と話すように、新聞や雑誌、会員制交流サイト(SNS)をチェックし、最新や珍しい品種があれば、取り入れるよう心掛ける。

栽培を始めて来年で30年を迎える。長年、妻の兵子さん(61)と二人三脚で取り組んできたが、約3年前から次女の友紀さん(30)が加わり、親子3人でポインセチアに愛情を注ぐ。「手を掛けすぎても、ほっときすぎても駄目。まるで子育てみたい」と兵子さん。

娘の友紀さんと出荷に向け、丁寧に袋に入れる三男さん(左)

 

同園から出荷されるポインセチアは年間約2万鉢。手塩にかけて育てた花々が冬を彩り、大久保さんは「部屋に飾って季節感を楽しんでもらえたら」と笑顔を見せた。

■メモ
大久保花園
▽住所は鉾田市大和田1505
▽(電)0291(36)4580(正午~午後1時、同6~8時まで)
※売り切れの場合があるので、電話にて要確認

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