地下空間で非日常体感 宇都宮・大谷の戸室山 採石場跡活用、アート展 魅力発信、誘客促進へ

下野新聞
2021年11月13日

 【宇都宮】大谷の採石場跡地を活用したアート企画展「UNDER MUSEUM CHALLENGE 01 GATE」が23日までの土、日曜と祝日、大谷町の戸室山で開かれている。石を掘る産業によって生み出された広大で非日常的な地下空間と、そこに設置された作品が一体となって楽しめるほか、入り口から地下まで電動車「グリーンスローモビリティ」の乗車も体験できる。

 宇都宮観光コンベンション協会主催で、エンターテインメント会社アミューズ(山梨県富士河口湖町)などが企画運営するプロジェクトの第1弾。普段は気軽に立ち入れない地下空間を多くの人に訪れてもらいたいと企画した。

 市によると、採石場跡地は約250カ所ある。これまでに映画やドラマのロケ地としての露出が増える一方、多くは私有地で一般公開されていない。今後プロジェクトにより跡地を多様に活用し、日本遺産に認定された「大谷石文化」の魅力を発信していく。

 今回の会場は、米菓製造「丸彦製菓」(日光市芹沼)が30年ほど前から所有している採石場跡地。同社の山田邦彦(やまだくにひこ)社長(49)は大谷のPRに協力したい思いがあるといい「石を掘った跡が残っていて、初めて見ると新鮮だと思う。日常では感じられない静寂を体感してもらいたい」と話す。

 会場には、国内外で活動する現代美術家栗林隆(くりばやしたかし)さん(53)の作品が設置されている。入り口にある「元気炉」は、炉の中でサウナが体験できるなど「元気になれる」作品。地下空間では、屋台の形をした造形物で変化する自然を表現している。

 栗林さんは「地下空間にエネルギーを感じた。アートをきっかけに、ここを人が集まる場にしたい」と話す。午前9時半~午後4時(最終受け付け3時半)。入場料千円。サウナ体験千円。