子ども憩いの駄菓子屋  仁平商店(西原通り)仁平稀久枝さん(83)

下野新聞
2021年10月24日

 店は西原小正門のすぐ近くにあります。店の前の通りを「西原通り」と呼ぶ人は、あまりいないかも。昭和の頃は今より狭い砂利道で、車が通ると砂ぼこりがすごかったですね。

 1955年に亡き父が創業しました。当時、一条中の場所には宇都宮工業高があり、運動部の生徒たちが部活の朝練に来ていました。コンビニがなかった時代。「学校の近くで、開いている店があればいいな」という声を聞き、朝5時から店を開けていました。

 その頃は駄菓子だけでなく、パンやおにぎり、冬はおでんを置いていました。朝練の前後と昼休み、放課後の練習前後と、1日に何度も寄ってくれる子もいましたね。夜、部活が終わると、生徒たちが集まり、店で1日の出来事を話していました。

 学校や親のこと、恋愛と、いろいろなことを話せる憩いの場だったのでしょうね。突っ張っている子もいたけど、私にとってはどの子もかわいいし、いい子。今でも、社会人になった卒業生がふらっと寄ってくれるのがうれしいです。

 最近は、お客さんの大半が小学生。高齢になり店を開け続けるか迷うけど、「西原小の子は、駄菓子屋さんがあっていいな」という話を聞くと、やめられないですね。子どもたちからはやりのお菓子を教えてもらい仕入れることもあり、逆に勉強させてもらっています。

 ■メモ 宇都宮市京町9の19。(問)028・636・5833▽営業時間 午前6時~午後6時半▽定休日 日曜▽一押し商品 駄菓子▽宇都宮を一言で言うと 住みよい街

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