茨城空港発着、初の遊覧飛行が10日運航 チケット完売

茨城新聞
2021年10月8日

茨城県や富士山上空を巡る茨城空港(小美玉市)発着の遊覧飛行が今秋、初めて運航される。新型コロナウイルス感染拡大による県境を越えた移動制限に伴い、遊覧飛行の人気は全国で熱を帯び、チケットは発売開始からわずか5日間で完売。県はコロナ禍における茨城空港の利用促進へ向け、航空機の経費を支援するなどさらなる誘致を目指している。

遊覧飛行は10月10日に茨城空港を出発し、茨城県や富士山の上空を通常航路に比べて低空で巡る約2時間のツアー。静岡空港などを拠点とする地域航空会社のフジ・ドリーム・エアラインズ(FDA)が、茨城県に発令された国の「緊急事態宣言」解除を要件に運航する計画。

新型コロナウイルスの感染対策のため、対象は県民に限定。乗客には記念品を配布するほか、機内でのイベントなども検討している。チケットは9月2日から募集を受け付け、6日に約80席が完売。販売を手掛けるクラブツーリズムによると「現在は約20人のキャンセル待ちが出ている状況」といい、人気の高さがうかがえる。

新型コロナの感染拡大で海外を始めとする航空機を使った旅行が制限されている中、遊覧飛行への需要は広がっている。各航空会社は飛行していない航空機材を生かし、機内で食事を楽しんだり、ハワイなど旅先の雰囲気を楽しむプランなど、趣向を凝らしたプランを提供。特に機内は換気性能に優れ、感染に対するリスクの低さが指摘されていることも人気の高まりの追い風になっているようだ。

こうした中、県は航空需要が落ち込む茨城空港の利用促進を目指し、遊覧飛行の誘致に乗り出した。燃料費や人件費など航空機回送のための経費を補助する「遊覧飛行運航支援事業」として、2021年度の補正予算に600万円を計上。運航を決めた航空会社に対し、1回の運航につき最大で200万円を支援する取り組みを始めた。

県空港対策課は「飛行機に乗りたいという需要は確実にある。航空会社の回送経費を補助することで、県民が気軽に利用できる料金設定になるよう働き掛けたい」と説明。その上で、茨城空港での初の遊覧飛行の運航について「想定を超える売れ行き。今後も運航を誘致し、さらなる需要を取り込んでいきたい」と期待を寄せている。

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