老舗の味を伝承し進化 蒸し焼きそば 千家(せんか)(宇都宮)

下野新聞
2021年9月1日

 自家製麺と具材に、だしの効いたスープと特製ソースのうま味を凝縮させた「蒸し焼きそば」が人気だ。

 店主佐藤良平(さとうりょうへい)さん(40)は、東武宇都宮線江曽島駅東口で約60年続いた老舗「おかめや」直伝の味を継承した。転機は、居酒屋で働きながら独立を考えていた2010年4月ごろ。佐藤さんが「おかめや」の前を通り掛かった際、「5月で閉店」という張り紙に気付いた。「あの味が味わえないなんてもったいない」。何度も頼み込んで調理法などを学び、翌11年1月、自身の店を構えた。

 麺は店舗近くの工房で製麺し、こしがある。だしは野菜や鶏がらなどを使い、一晩寝かす。具材はゆでたスルメイカとザク切りしたキャベツ。手間を惜しまず、中華鍋で作れる分だけ丁寧に手作りしている。メニューはミニ200グラム~特大600グラム。中400グラムは500円。新型コロナウイルス感染症対策のため店先にテントを設け、テークアウトで対応している。

 5年かけて冷凍焼きそばも商品化した。「おかめや店主から『俺を抜かした』と人づてに聞き、うれしくなった」と佐藤さん。伝統の味を守るとともに、進化にも挑んでいる。

 【メモ】宇都宮市緑1の13の14。午前10時~午後7時(麺がなくなり次第終了)。月曜定休(祝日の場合は火曜休業)。(問)028・658・8766。

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