《いばらき御朱印めぐり》土浦・羽黒山大聖寺 月替わりに4種類頒布 「季節楽しんで」 

茨城新聞
2021年7月18日

年間約110種の野鳥が観察でき、環境保護に力を入れる“環境の寺”としても知られる羽黒山大聖寺(だいしょうじ)(茨城県土浦市永国)。長徳元(995)年、成尊僧都(じょうそんそうず)により開山したのが縁起とされる。同寺院では、参拝者に季節を楽しんでもらいたいと、毎月、月替わりの御朱印を4種類頒布している。

月替わりの御朱印は2017年から始まった。同寺院は、北関東三十六不動尊霊場「第三十一番札所」でもあり、古くから御朱印を頒布してきたが、「周囲から訪ねづらいとの声もあった。敷居を下げて、幅広い世代に参拝してほしい」と、同寺院の小林美帆事務長(56)が愛らしいイラストの御朱印を企画したのがきっかけだった。

月替わりの御朱印は「龍神さま」「お地蔵さま」「羽黒権現(はぐろごんげん)さま」と見開きの御朱印がある。職員がデザインし印刷。日付を入れ、参拝者に頒布している。

「龍神さま」は、月ごとに龍の色が変化。この御朱印は、雨乞いで現れたとされる龍がモチーフとなっている。江戸時代、日照りが続き、雨乞いで龍が現れ、その後、滝のような雨が降り注ぎ作物がよみがえったという伝説が元になっている。

「お地蔵さま」は、同寺院の副本尊が柔和に描かれ、7月はウナギとうちわを持った様が表現される。「羽黒権現さま」は、同寺院の平和観音の下に500年以上前から祭られている神様。この御朱印は、3本足のヤタガラスにまたがった穏やかな羽黒権現さまが描かれ、7月はサルスベリが添えられている。

大聖寺の7月限定の御朱印

 

見開きの御朱印には七夕がイメージされる。「一度に、全ての御朱印を授与される参拝客もいます」と、小林隆成住職(82)は人気ぶりをこうを話す。

月替わりの御朱印のほかにも、境内に新四国八十八カ所ミニ霊場があるのも特徴的。各霊場には四国八十八カ所霊場から小林住職がすくってきた砂が鎮められている。小林住職が、四国を訪ねなくても身近に巡れる場所を作ろうと、10年かけて整備し、1985年完成させた。

四国霊場の千分の1で全長約1500メートル。1時間半ほどで巡れるという。巡礼者は、巡拝した証しとして「結願の証」がいただける。小林住職は「中には雨でぬれた土もあった。郵便で送り、砂をいり、保存していった」と振り返る。

週末は、御朱印目当ての参拝客で混み合う。「コレクションのように集める人もいるが、御朱印には意味がある。それぞれの仏様をお参りし、授与を受けてほしい」と話す。(第1土曜日掲載)

メモ
アクセス:常磐道桜土浦ICを降りて、国道354号へ。「永国団地入り口」を左折。
住所:土浦市永国203
電話:029(821)2110
御朱印:月替わりの御朱印は4種類ある。その他、お不動さま、龍神さまの御朱印がある。見開きは1枚600円、ほかは1枚300円。
受け付けは午前10時~午後4時。

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