《まち歩き・里歩き》スタート 石関公園 (前橋市石関町) 田園の中 学びや  

上毛新聞
2015年12月9日

前橋市東部の石関公園周辺は、高校や専門学校などが集積する学園ゾーン。校舎が立ち並ぶ都市的な雰囲気とのどかな田園地帯が隣接するエリアを歩いた。
石関公園は桃ノ木川沿いで、前橋工業高の西側。約100台分の駐車場があり、広々としたグラウンドはサッカーやグラウンドゴルフの利用が多い。公園の一角の遊具で、柳岡隼人ちゃん(3)=同市東片貝町=が祖母の横田喜美代さん(65)=大泉町=と遊んでいた。「春には幼稚園に入るんですよ」と、横田さんは元気に動き回る孫の成長に目を細めた。
公園を出ると、風に負けじと、懸命に自転車をこぐ前橋工業高の生徒に会った。この日はちょうど期末テストだったため、下校時間が早いらしい。「頑張れ!」と後ろ姿にエールを送った。
同校南側は、前橋特別支援学校や前橋医療福祉専門学校、前橋高等職業訓練校、群馬県美容専門学校がある。交差点を南下して、群馬芸術学園の敷地に建つ二つの大きな鉄の輪に目が留まった。
同学園事務所を訪ね、鉄の輪は同市の現代美術家、白川昌生さんによる作品と分かった。事務の安達真枝さん(66)は「人生は全て『円環』のように回っている。どこかで区切らなければならないから、真ん中に板がある」と解説。ユニークな鉄のアートから出てきた哲学に脳を刺激された。
隣の県立前橋産業技術専門校に行ってみた。今度は「ステンレス君」という名のかわいらしい物体に出合った。同校テクニカル金属科の2011年度修了記念作品だ。同校統括指導官の吉野豊さん(56)=写真=が校内を案内しながら、ステンレスの溶接は特殊で機械化が難しく、これから求められる技術だと教えてくれた。「コンピューターで自動化されても、基礎となる手動の機械操作ができないと、出来上がった製品の精度や良しあしが分からない」と吉野さん。ものづくりは奥が深い。
同校から東へ向かい、寺沢川に掛かる簗瀬橋を渡った。赤城山も麓も冬の色。住宅街にユズやキンカンがなっていた。
民家に「一花くらぶ」と書かれた看板を見つけた。お年寄りが気軽に集まれる場にしようと、居宅介護支援事業所を運営する女屋静江さん(59)が1年前、古い民家をリフォームして開設したサロンだ。本業の傍ら仲間3人とボランティアで音楽会や手品、落語の会などを企画。部屋の貸し出しも1人200円で30人まで対応でき、「駐車場もあるので子育てグループや世代間交流に利用してほしい」と呼び掛ける。幅広い世代の人が楽しく集う様子を思い浮かべながら、くらぶを後にした。

【コースの特徴】
1.6キロ。学園ゾーンは平たんで歩道がある。住宅街は細い道でやや上り坂もある。

【寄り道したら】小麦香る温かなパン ベーカリーカフェすてっぷ
「ベーカリーカフェすてっぷ」(前橋市東上野町)は、障害のある人たちが働く「わーくはうす・すてっぷ」が15年前から運営している=写真。利用者がパンを焼いたり、接客をして来店客や地域の人と触れ合っている。
「全て北海道産の小麦を使っている。もちもち、しっとりしたおいしさを味わってほしい」と、職業指導員で同店チーフの向田智人さん(37)。約30種類のパンのうち、一押しは小麦の香りやうまみを感じられる食パン(1斤250円)。
木曜限定の「自家製酵母レーズンパン」(390円)は有機レーズンの酵母種で作る逸品だ。12月はドイツの伝統的なクリスマス菓子シュトーレン(900円)を販売している。喫茶で食事でき、ピザランチ(450円)が人気。
午前9時半~午後4時。土日、祝日休み。問い合わせは同店(☎027・290・6161)へ。

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