廃校見届けた美術品 那須歴史探訪館 小泉斐の日本画、勝海舟の書… 学校資料と共に展示

下野新聞
2021年5月14日

 【那須】廃校になった町内の小中学校が所蔵していた美術品など55点を展示する企画展「廃校の美術品~那須町ゆかりの写真と書画~」が、芦野の那須歴史探訪館で行われている。同館は「明治時代から町内には多くの学校があった。展示から歴史を感じてほしい」と呼び掛けている。6月13日まで。

 町は少子化に伴い、4中学校を2校に、13小学校を6校へ再編する「町学校適正配置等計画」を2012年度に公表。14~18年度に統廃合を行った。

 企画展では、廃校となった9校のうち、6校の美術品や学校資料を展示している。旧伊王野小の所蔵だった日本画「親子鶴図(かくず)」は、黒羽で活動した画家小泉斐(こいずみあやる)(1770~1854年)が1840年に大阪城で制作したという。

 旧芦野小にあった書「志在千里(しざいせんり)」は、勝海舟(かつかいしゅう)(1823~99年)が揮毫(きごう)した。

 このほか学校沿革誌や写真アルバムなどを見ることができる。展示を見た来館者からは「懐かしい」「お世話になった先生が写った写真がある」といった声が出ており、好評という。

 同館の作間亮哉(さくまかつや)学芸員(28)は「那須にゆかりのある人の作品や、学校アルバムを見て、昔と今の違いに思いをはせてほしい」と話している。

 午前9時~午後5時。観覧料200円。月曜休館。29日午後1時半、展示に関する講座「学校資料が語りかけるもの」を芦野基幹集落センターで開く。事前予約制で定員30人。

 (問)同館0287・74・7007。

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