住民手作りの公園完成 那珂・息栖神社周辺の里山 「3世代交流できる場に」

茨城新聞
2021年5月19日

茨城県那珂市中台の里山に、地元住民らが手作りした公園が完成した。約6年がかりで、小場江用水上部に当たる息栖神社周辺の約2・5ヘクタールに、遊歩道を造成して側道にアジサイなどを植樹、子どもが遊べる広場を設けた。住民でつくる「息栖の森自然共生を図る会」は「環境保全と、3世代交流ができる場づくりが目的。子どもたちが古里を愛するきっかけになれば」と期待を込めている。

地元住民らが整備して完成した「息栖の森ふるさと公園」=那珂市中台

 

公園は「息栖の森ふるさと公園」。水田を挟んで水戸市街を一望できる那珂川左岸の丘陵地に位置する。山林を間伐して遊歩道を造成。植樹を行い、散歩できるようにした。「おえかき広場」や「バーベキュー広場」などの休憩所も設け、子どもたちが集まれる場にした。市から廃園となった幼稚園の遊具を譲り受け、園内に配置。このほかスイセンを植えた丘の造成や、湧水(ゆうすい)を生かしホタル生息に向けた環境整備など行った。

公園は地権者4人の私有地を借り受けた。かつて粗大ごみなどの不法投棄が行われていたが、自治会が率先してごみ撤去を行った縁で、公園整備が具体化した。

息栖の森自然共生を図る会は2015年に発足。会員は旧中台地区自治会で、中台第一、なみき、中台津田の3自治会の154人(昨年12月現在)。整備は、県の「身近なみどり整備推進事業」などの助成も受けた。毎週土曜日の午前中、幹事を中心に10人ほど集まり、作業を進めてきた。現在も下草刈りや倒木の片付け、間伐など維持管理を続けている。

公園が完成し、昨年10月に開園式を開く考えだったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期している。感染状況を見て“お披露目”したい考え。郷土愛やボランティア精神の象徴として、記念石碑も建立した。今後、清水洞の上公園(同市東木倉)への連絡遊歩道を造成する構想もある。

同会の後藤和夫会長(75)は「6年間、みんなで一生懸命整備に取り組んできた。ボランティア精神が次の世代まで引き継がれてほしい」と話している。

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