塩原温泉配合 せっけん誕生 女将の会と製薬会社 すべすべ美肌へ効果確認 ネット販売も 

下野新聞
2021年5月9日

 【那須塩原】塩原温泉女将(おかみ)の会は、ミナト製薬(本社・東京都中央区)と共同で塩原温泉の温泉水を配合した固形洗顔せっけん「みかえり乙女」を開発し、このほど発売した。美肌効果があるとされる「メタケイ酸」などの温泉成分を生かすため、昔ながらの手法で製造。主に市内旅館の宿泊客への限定販売だが、将来的にインターネット販売も行い、同温泉のPRにつなげる考えだ。

 市観光局の呼び掛けで商品開発に取りかかったのは昨春。「女性に喜ばれる」「環境への負荷を抑える」などの目標を踏まえ、固形の洗顔せっけんを商品化することに決めた。

 市内に工場を持つミナト製薬は、大量生産が可能な機械練りではなく、型枠に原液を流し込んで自然乾燥させる伝統的な製法を提案した。手間がかかる半面、温泉成分をより多く配合することが可能だという。女将の会メンバーが実際に使用して効果を確かめた。

 発売したせっけんは2種類。硫酸塩泉の成分を含んだ「八汐ピンク」は、成分が肌に付着することでパックのような状態をつくり肌にしっとり感を与える。炭酸水素塩泉の成分を含んだ「塩原グリーン」は肌の不要な角質や毛穴の汚れを取り、すべすべ感を与える。

 1個80グラム。2種類とも1850円。ビニール包装には市花のヤシオツツジなどのイラストを入れた。

 温泉旅館「湯守田中屋」では、4月末から売店で販売。女将の会会長で同旅館のおかみ田中志(たなかゆき)さん(56)は「値段は高めだが、自分へのご褒美で買う方が多い。コロナ禍でどの旅館も大変だが、せっけんを通じて塩原温泉の魅力を多くの方に知ってほしい」と期待した。

 せっけんは温泉街の一部旅館のほか、市観光局や塩原もの語り館でも購入できる。(問)市観光局0287・46・5326。

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