佐竹氏交友、書状で迫る 千秋文庫所蔵品40点展示 茨城県立歴史館

茨城新聞
2021年5月11日

動乱の時代の常陸を生き抜いた佐竹氏の歴史を紹介する企画展「中世佐竹氏の世界-千秋文庫所蔵文書から-」が水戸市緑町の茨城県立歴史館で開かれている。佐竹氏に届いた武将からの書状など約40点を展示。佐竹氏の交友関係にも迫る内容になっている。

佐竹氏は古代末期から中世の常陸、近世の秋田藩で約800年の歴史を刻んだ。同家に伝わる文化史料を収蔵・展示する千秋文庫(東京都千代田区)の所蔵品から、近年、東京大史料編纂(へんさん)所で修理された古文書を紹介する。

展示されるのは、南北朝時代から江戸時代初期までの間に、佐竹家の当主宛てに送られた書状など。会場は(1)乱世の中で取り交わされた文書(2)天下人(豊臣氏、徳川氏)からの文書(3)太平の世で交わされた文書-に分けられている。

徳川家康や石田三成、伊達政宗の書状に加え、豊臣秀頼から佐竹義宣への印判状や、武田勝頼から佐竹義重への書状なども並ぶ。

豊臣秀頼の印判状は、佐竹氏からの贈り物に感謝の気持ちが記されている。武田勝頼の書状は、北条氏との戦いの状況を報告。ともに当時の佐竹氏が、相手と良好な関係を築いていたことがうかがえる内容だ。

同館学芸課の資料調査専門員、飛田英世さん(61)は「佐竹氏と歴史上の大物との関わりを知ってほしい。展示文書を通し、佐竹氏が全国的に広く活動し、歴史の中でどう動いていたかを知ることができる」と見どころを話す。

会期は6月13日まで。月曜休館(5月3日は開館、同6日休館)。5月23日には同館講堂で展示解説(先着50人)が実施される。

地図を開く 近くのニュース