《まち歩き・里歩き》スタート 三波石峡(藤岡市譲原) 絶景眺め空中散歩

上毛新聞
2015年12月3日

藤岡市鬼石地区の名物として冬桜と双璧をなす三波石峡。近頃は隣接する下久保ダムの観光地化が進められている。周辺の魅力を探ってみた。
「兜(かぶと)石」「宝(たから)石」などと名付けられた48の奇岩、巨岩が1・5キロの川沿いに鎮座する三波石峡。勢いの良い水流を横目に、三波石の滑らかな曲線や美しい文様をしばらく楽しんだ。渓谷やダムにカメラを向けていた前橋市下大島町の土屋昭一さん(83)=写真=は「紅葉の季節は初めて。写真をブログに載せたい」と80代と思えない軽い足取りで渓谷を下っていった。
叢石橋(そうせきばし)を渡り、ダムにつながる関東ふれあいの道へ。路面に降り積もった落ち葉を「サクッ」と踏みしめつつ、坂道を20分上る。埼玉県側にあるダム管理所付近からは、特徴的なL字の堤体と湖面が一望できた。
管理所1階にある「神流川と三波石峡の資料館」では、ダムの役割や三波石峡の概要を学べる。ただ最近はダムを活用した活性化策が住民とともに進められており、開発されたダムカレーや漫画家の協力を得たタイアップ策を紹介する展示を増やした。管理所を訪れると特典として「ダムカード」がもらえ、得した気分。10人以上で事前予約するとダム内部を見学でき、地底探検の気分が味わえるという。
群馬方面へ堤体を歩く。左に湖面、右は山間地の集落を見下ろす絶景が楽しめる。まるで空中散歩だ。国道462号から湖に降りると、神流湖観光ボートの釣り場があった。色づく山々を背景に太公望たちが、のんびりと釣り糸を垂れていた。受け付けをしていた森田稔さん(53)は「冬もヘラブナにワカサギと、一年中釣りができるのが神流湖の強み」と話す。釣り券とセットで桟橋が2千円、ボートは3千円。遊覧ボートは600円~。
国道の薄暗い下久保トンネルを越え、譲原防災センターに向かった。1991年の台風で地滑りが発生しやすい地域と分かり、それを防ぐために国が取り組む防災事業を紹介している。1階に譲原の地滑りの状況を学べるシアター、2階は地滑りを防ぐ方法などが学べるジオラマ模型が設置されている。火曜に開館(予約制)。
地滑りの危険性のある範囲は「東京ディズニーランド二つ分」の広さといい、仰天させられた。そのため原因となる地下水を抜く30基超の集水井戸や排水トンネル建設など万全の対策を取っている。最後に見学した集水井戸では地中から集まった水が流れ落ちる音が響いていた)。大地は生きている、そんな当たり前の事実を実感した。
特徴的な大地と、先人が自然と共生するため培った建築技術を目の当たりにする有意義な散策となった。

【コースの特徴】
高低差のある5.5キロ。トンネル、国道沿いを歩く時は注意を。

◎[寄り道したら]道の駅内食堂「味楽」 ダムカレーに地域色
国道462号沿いにある道の駅上州おにし内の食堂「味楽」(藤岡市譲原)は、ダムカレー(800円)=写真=などが味わえる。
ダムを生かした地域活性を図る神流川ビジョン推進協議会などの呼び掛けに応じ、ダムカレーを開発した。ごはんでL字の堤体を形作り、玉こんにゃくで三波石、空揚げで下久保発電所、桜型のニンジンで冬桜を表現。ルーはジャガイモが溶けこみ甘みのある家庭的な味だ。
奥多野産の辛みダイコンをすりおろして加える鬼石ラーメン(同)、焼き餅、下仁田ネギなどが入ったうま味噌うどん(同)も名物。麺やギョーザの皮は手作りにこだわる。オーナーの新田きみ子さん(65)は「手間は掛かるけど、多くの人に食べてもらいたいから値段は抑え気味」と話す。
午前10時半~午後3時半。火曜定休。問い合わせは同店(☎0274・52・4560)へ。

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