史跡、名所に看板 水戸の国田歴史学習会 飛行場跡や薬師寺に設置

茨城新聞
2021年3月24日

水戸市国田地区の市民団体「国田歴史学習会」(小田倉康家会長)が、地区内の史跡や名所に案内看板を設置している。7日には「水戸北飛行場跡」「赤沼山薬師寺」(いずれも同市上国井町)に案内板を設置。同会は、案内板を通して歴史について理解を深め、地域の魅力を再発見してもらいたい考えだ。

この取り組みは、市民団体と協働でまちづくりに取り組む同市の「わくわくプロジェクト」事業の一環。同会の「国田地区の名所・史跡探訪を通した魅力再発見プロジェクト」は2018年度に採択され、本年度は3カ年事業の最終年度。同会はこれまで、地区内の名所を巡るウオーキングや歴史講話、県内の歴史探訪などの催しを実施している。

これまでに設置された案内板は「軍民坂と湧水」「権現山古墳と七ツ洞横穴墓群」など約20基。案内板の説明文は、同地区の歴史を記した「国田史」(1990年発行)などに基づき作成された。

この日設置された案内板2基のうち、同飛行場は第2次世界大戦末期に建設工事を開始。敷地面積は、国田や後台、戸多、芳野の4村(いずれも当時)にまたがる計229ヘクタールに及んだ。しかし、飛行場の建設によって米軍の標的となり、爆撃による死者も出たという。

薬師寺は807(大同2)年に建立され、同地区では、水戸藩2代藩主の徳川光圀や9代藩主・斉昭による寺社整理後も残された唯一の寺。毎年4月には、釈迦(しゃか)立像に甘茶をかけて無病息災を祈る「花まつり」が開かれている。

小田倉会長は「私たちは『魅力再発見』をテーマに活動してきた。今後も歴史講演会やウオーキングなどの催しを通して(国田地区の)良さを広めていきたい」などと話した。

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