馬坂城址の御城印発売 常陸太田の住民グループ 佐竹氏家紋入り、散策記念に

茨城新聞
2021年3月12日

常陸太田市天神林町の馬坂城址(じょうし)の整備活動に取り組む住民グループ「馬坂城址保存会」(梶山義光会長)と、地域活性化事業団体「Local Activate」(牛久市、池田翔太代表)が連携し、馬坂城址の「御城印」を発売した。佐竹氏の家紋を入れ、県伝統工芸品の西ノ内和紙を使用。本年度で同城址の整備が完了したことで、「散策などで訪れる人たちに“登城”の記念にしてもらえれば」としている。

馬坂城址の登城記念の「御城印」

御城印は、はがきサイズで、扇に赤い日の丸の佐竹氏の家紋を使用し、佐竹寺山門に掲げられている家紋をイメージして金の紋とした。左上には「一節の竹」を水墨画で描いた。常陸佐竹氏の初代、源昌義が佐竹寺を参拝した際に、20尋(約1・8メートル)に節が一つしかない竹を見つけ、「吉兆成り」と姓を「佐竹」と称したと伝わる。

販売は佐竹寺納経所(同市天神林町)で、1枚400円(税込み)。同保存会では「城址の整備が一段落した時期に合わせて御城印を作成できたことはありがたい。馬坂城と佐竹氏の歴史を、西ノ内和紙を使った1枚にぎゅっと詰め込んだもので、これを馬坂城の鬼門除けとして再建された佐竹寺で頒布できることは、関連性がより分かりやすくなるのでは」と期待している。

同城址は平安時代末期、初代昌義が築いた。約6ヘクタールの敷地に三つの曲輪を設けた平山城。北西側に鶴ケ池、西側に山田川に囲まれ、東側は内堀、外堀と二重の空堀を設け、本郭西側も空堀を二重に巡らす。同保存会が3年をかけて城址を覆っていた樹木や竹を伐採し、散策路を整備して案内板なども設置をした。

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