お忍びで訪れた足跡も 英「クイーン」ボーカル・故フレディ コンサートグッズや写真展 来月7日まで 足利・栗田美術館

下野新聞
2021年2月25日

英国のロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリー(1946~91年)と彼が好んだ陶磁器の魅力を紹介する企画展「フレディ・マーキュリーが愛した日本と文化×栗田美術館」が、足利市の同美術館で開かれている。コンサート関連グッズなどを展示しているほか、同館をお忍びで訪れたフレディと同じルートを楽しめる。「音楽と美術を融合させた新しい試み。今まで陶磁器に興味が無かった人にも見てもらうきっかけになれば」と栗田俊英(くりたとしひで)館長は期待を寄せる。

自宅に日本庭園を造るほど日本びいきだったフレディは、1986年9月にプライベートで来日。陶器にも関心が高かったことから、伊万里焼、鍋島焼約2千点を収蔵する同館を極秘で見学した。

「このときが最後の来日で、館長だった父(英男(ひでお)さん)の案内で、とても熱心に見て回ったと聞いている」と栗田館長。フレディの半生を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」(2018年)の上映後は、同館にも多くのファンが訪れたという。

今回の企画展は、文化庁「博物館異分野連携モデル構築事業」の一環として同館と旅行業界、音楽業界が連携。フレディゆかりの同館を舞台に、彼らの足跡をたどるとともに、日本古来の陶磁器である伊万里焼、鍋島焼の歴史に触れてもらうことを狙いとしている。

等身大のフレディ像が出迎えるメイン会場「陶磁会館」では、コンサート会場でファンが掲げるマフラーフラッグやバックステージパス、計7回の来日時の写真パネルや当時のチケット、表紙を飾った音楽雑誌などを展示。「好きな食べ物 てりやき」などと答えた直筆のアンケートも紹介している。

「本館」「歴史館」には、来館時の写真も掲示され、フレディと同じ構図で彼が気に入った伊万里の大つぼの間で撮影でき、別の写真にある柿右衛門(かきえもん)様式の人形も特別展示されている。

栗田館長は「コロナ禍で制約も多いが、86年の来館がこれだけ話題になるとは、改めてすごいスターだったと思う」と話し、「今後も美術と他分野との融合で可能性を広げたい」としている。3月7日まで。午前10時~午後4時半(最終入場は同4時)、入場料は一般1250円、小中高生500円。(問)同館0284・91・1026(月曜休館)。

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