関鉄竜ケ崎線、市民遺産に 産業や通勤通学 龍ケ崎市教委「市発展に貢献」

茨城新聞
2021年2月15日

龍ケ崎市教育委員会は、市内を走る関東鉄道竜ケ崎線を「市民遺産」に認定した。産業発展や通勤通学に貢献してきた存在は大きいと判断し、後世に残したり伝えたりしたい宝に位置付けた。市教委では3月末までに、関鉄竜ケ崎駅に説明板を設け、広く認定を周知していく方針だ。

龍ケ崎市制60周年記念ラッピングを施された「まいりゅう号」(市提供)

「竜鉄」の愛称で親しまれる竜ケ崎線は、1900年8月に開業した龍崎鉄道が起源だ。事業譲渡や合併などを経て、65年から関鉄が運行している。総延長は4.5キロメートルで、竜ケ崎-佐貫駅間(現在は全3駅)を走る。佐貫駅で、JR常磐線龍ケ崎市駅に接続する。中心市街地と常磐線を結び付ける交通手段として、大きな役割を果たしている。

65年まで現役で活躍した「4号機関車」は市指定文化財で、市歴史民俗資料館で保存されている。71年には日本初のワンマン運転を始めた歴史もあるという。

今回の認定を巡っては、鉄道やバスの利用促進などに取り組む市地域公共交通活性化協議会(十文字義之会長)が推薦した。9日には市役所で認定書交付式が開かれた。平塚和宏教育長から十文字会長に認定書が手渡された。

交付式で十文字会長は「120年以上続いただけでも遺産。これだけの路線はなかなかない。市民にもふるさとへの思いを持ってもらえるはず」と強調した。関鉄の宮島宏幸常務も出席し、新型コロナウイルス感染症の影響に触れながら「ご利用がなければ歴史の積み重ねもなかった。一日でも長く維持できるよう努力する。引き続き支えてほしい」と訴えた。

市民遺産は条例に根拠があり、2015年に創設された。今回で認定は14件目となった。

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