“時短”で昼にラーメン 水戸の「和&イタリアン木村屋」 業態変え「社員守る」

茨城新聞
2021年2月6日

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、居酒屋などで時短営業が要請される中、水戸市城南の「和&イタリアン木村屋」が昼からのラーメン提供を始めた。同市双葉台のラーメン店「麺処諭吉」がプロデュースし、同居酒屋ならではのメニューが完成。夜営業が制限される中、昼は“ラーメン店”に業態転換し、客に足を運んでもらいたい考え。

同居酒屋は2019年11月に開業し、魚介類を使った創作料理など提供してきた。ただ、昨年1年間は新型コロナの影響で客足が大きく減少。今月8日、近隣地域の緊急事態宣言が再発令され、県内でも感染拡大する中、代表の木村良平さん(30)は「社員を守り、店を存続させるため、昼の営業をしようと思った」と振り返る。

知人で麺処諭吉店主の古久保諭さん(31)に相談すると、長時間の滞在がなく、回転が早いラーメン提供を勧められた。メニュー開発や作り方を教わるなど協力を受け、相談から8日間で提供が実現した。

ラーメン提供を始めた「和&イタリアン木村屋」代表の木村良平さん(左)と「麺処諭吉」店主の古久保諭さん=水戸市城南

同店から自家製麺とスープ、チャーシューを仕入れて使用。同居酒屋の数種類の貝のうま味が詰まったスープと鳥だしを合わせ、香ばしい全粒粉入りの細麺を使う。上に載せたトリュフの香りがアクセントとなっている。メニューは「醤油(しょうゆ)SOBA」「塩SOBA」のほか、トマトバジルやバルサミコなど6種類の替え玉もある。

現在、午後8時までの時短営業をしている。昼営業も座席も対面にならない配置にするなど、感染対策を取りながら行う。16日からラーメン提供を開始し、1日に多いときは50人近く来店する。

古久保さんは「プロデュースは初めてで、ラーメン屋では気付けないことばかり。人の役に立てたことが一番うれしい」と話す。木村さんは「『おいしい』『頑張れ』と心強い言葉を掛けてくれるお客さんもいる。諭吉から教わった味を忠実に守りたい」としている。

ラーメン提供は午前11時から。休憩なしで、売り切れ次第終了。

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