パネルで回顧 高札も初公開 下野薬師寺跡国指定100年 来月20日から企画展 歴史館

下野新聞
2021年1月29日

 【下野】下野薬師寺跡国指定100周年パネル展が2月20日から、市下野薬師寺歴史館で開催される。国史跡に指定された1921(大正10)年当時の写真などパネル約10枚を展示し、歴史を振り返る。当時の内務省が作った国指定を知らせる「高札(こうさつ)」の実物を初公開。市文化財課は「高札が残っているのは全国的にも珍しい。下野薬師寺を多くの人に知ってほしい」としている。8月末までの予定。

 下野薬師寺は7世紀末、この地方の豪族下毛野古麻呂(しもつけのこまろ)によって創建された。国内に3カ所しかなかった、僧の資格を得るための場「戒壇」が置かれ、東国仏教の中心寺院だった。高僧・道鏡(どうきょう)の最期の地としても知られる。下野国分寺跡、足利学校と共に県内初の国史跡に指定された。

 同パネル展は国指定100周年を機に、同寺の歴史や指定の意義などを改めて知ってもらおうと企画された。発掘調査で見つかった建物跡や遺物などの写真をまとめたパネルを展示し、解説付きで紹介する。

 初公開される高札は、法令などを板面に記して周知する立て札で、国指定当時から下野薬師寺が保管していた。10年ほど前、同館に寄贈されたという。

 このほか1926(大正15)年の発掘調査で出土した瓦など常設展示にはない遺物や、県が同年発行した「栃木県史跡名勝天然記念物調査報告」も展示する。

 パネル展は、例年ウメの開花時季に合わせて同所で開催するイベント「史跡まつり」の一環。新型コロナウイルス感染対策のため、恒例の雅楽演奏やクイズラリーなどは行わない。来場者には缶バッジなどの記念品を配布する。

地図を開く 近くのニュース