築100年超の織物工場跡を改装した刺しゅう工房オープン 桐生

上毛新聞
2021年1月20日

 生まれ育った街から新しい表現を発信しようと、刺しゅう職人の坂下天さん(28)=群馬県桐生市境野町=は、築100年以上の織物工場跡を改装し、刺しゅうデザインの工房兼店舗「十坊(てんぼう)」を同市本町にオープンした。

 S~XLサイズの無地のTシャツを10色以上用意。その場で客に好みの刺しゅうを選んでもらい、最新型のジャカード織機でデザインを施す。料金は1800円から。刺しゅう済みのTシャツや帽子などの商品も3月ごろから販売する予定だ。

 坂下さんは同市出身。大学進学で上京後、ファッションモデルなどを経て帰郷し、みどり市の刺しゅう工場で腕を磨いた。昨年8月に独立し、これまで東京都内のメーカーなどに納品してきたが、訪れた人が刺しゅうの現場に触れられる場所をつくろうと工房を改装、今月から店頭での受注を始めた。

 幼なじみのグラフィックデザイナー、中静謙太さん(28)も協力する。2人は「この街をテーマに、デザインしていきたい」と意気込んでいる。