《まち歩き・里歩き》スタート 笛吹公園 (高崎市上豊岡町) 街道の要に残る伝説  

上毛新聞
2015年11月27日

高崎市西部にある豊岡地区は、古くから鎌倉街道、中山道などが走る街道の要衝。高崎だるまの生産地としても有名な豊岡を巡った。

同市八幡第二工業団地の一画にある笛吹公園。近くに住む松井陽子さん(29)と史芽ちゃん(11カ月)親子が色づいたイチョウやケヤキに手を伸ばし、葉を取っていた。「天気の良い日はよく遊びに来る」と陽子さん。ほほ笑ましい2人の姿にほのぼのした気持ちになった。
日差しや落ち葉の多さに秋から冬への変化を感じながら、公園を出発。間もなく、白い柵にだるまが描かれているのを見つけた。高崎環状線では、JR信越本線の上を通る上豊岡陸橋の欄干の4カ所にだるまが設置されていた。顔に「交通安全」「市勢発展」と書かれている。だるまの里の一端を垣間見ることができた。
陸橋から高崎豊岡中の方へ向かう。「笛吹塚」と書かれた標柱があった。塚は存在せず、由来の看板もないので後で調べることにした。笛吹公園との関係も気になる。
旧中山道に入り、「上豊岡の茶屋本陣」に立ち寄った。大名の参勤交代や公卿(くぎょう)らが休憩に使った建物で県指定史跡になっている。現在は無料開放され、同市文化財ボランティアの6人が交代で管理している。その1人、小板橋美奈子さん(71)=同市下豊岡町=は「休日は東京や愛知など遠方から中山道を歩く人が見学に訪れている」と笑顔で話してくれた。
一休みして疲れも取れ、東に進む。若宮八幡宮で近隣の人たちが境内を掃除していた。氏子総代会長の萩原元雄さん(75)=写真右=と副会長の横田隆夫さん(69)=同左=に八幡宮の歴史を聞いた。平安時代末期に源頼家、義家父子が前九年の役で奥州に向かう途中、この地で戦勝を祈願するために建立したと伝えられる。市指定重要文化財のわらび手横刀が所蔵され、境内には義家が座ったという腰掛石がある。現在は使われていないが、土俵もあり、萩原さんは「明治時代に活躍した関脇、稲川政右衛門を輩出するなど相撲が盛んな地域だった名残だよ」と教えてくれた。
横田さんは豊岡の歴史を楽しく学ぶ会会長でもあり、「笛吹塚」について解説してもらった。鎌倉時代、牛若丸(源義経)が奥州から京へ向かう途中、得意の笛を吹いたという伝説のある場所。当時はさらに西にあったが宅地開発で塚は取り払われ、地域の人たちが後世に残すために現在の場所に移動したという。「笛吹公園も塚にちなんで名付けられた」と横田さんは説明する。公園名が地域に由来していない理由に納得した。
いにしえの伝説や歴史に触れ、当時の人たちとの思いを重ねることができた。
(文化生活部 古谷正敏)

【コースの特徴】
ほぼなだらかな2.1キロ。上豊岡陸橋は徒歩で渡ることができないので地下道を利用する。

◎寄り道 したら レストラン「ラ・リューシュ」 季節感ある仏料理
上豊岡陸橋そばのフランス料理店「ラ・リューシュ」は季節が感じられる料理を提供し続けており、来月開店から28周年を迎える。
ランチタイムのお薦めは、チキンソテーガーリックソース=写真=のセット(1188円)。スープ、ライスまたはパン、コーヒーが付く。鶏もも肉の表面はカリッと、中は軟らかく、シメジやシイタケが入った香ばしいガーリックソースが味を引き立てる。季節限定デザート「かぼちゃのプリン」(410円)も一緒に味わいたい。
店の入り口では、店主の桜井浩さん(63)と妻の綾子さん(57)が飾ったバラやパンジーなどが迎えてくれる。桜井さんは「家庭的な雰囲気の中でフランス料理を味わってもらえたら」と話す。
午前11時半~午後2時、午後5時半~午後10時。火曜定休。問い合わせは同店(☎027・326・8382)へ。

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