「ひまわりオイル」復活 那珂市商工会が製造 3年ぶり、無事収穫

茨城新聞
2020年12月24日

那珂市を代表する特産品の一つ「ひまわりオイル」が、3年ぶりに市内小売店などで販売される。これまで台風の影響を受け、原料のヒマワリがほぼ収穫できなかったが、今年は植え付け時期を早めるなどし、無事収穫を果たした。業務用も取り扱い、製造卸を担う市商工会は「新たな特産品開発にもつながれば」と期待している。

ヒマワリは市の花で、オイルには市最大の祭典「なかひまわりフェスティバル」の会場となる那珂総合公園(同市戸崎)周辺の畑で収穫した種を使う。栄養素を豊富に含み、あっさりとした口当たりが特徴。炒め物のほか、汁物に数滴入れたり、ドレッシング感覚で一振りしたりするなど幅広く楽しめる。市特産品ブランドにも認証されている。

今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、同祭典は中止となった。ただ、オイルを作ろうと約4・3ヘクタールの畑でヒマワリを栽培。台風の時期を見据え、例年より2週間ほど早い6月上旬に、地元農家らで種をまいた。9月末、2トン以上のヒマワリを収穫。行方市の事業者に依頼し、乾燥、選別後に低温で搾り出し、完成した。今年のオイルは美しい黄色で、栄養素のオレイン酸とビタミンEを特に多く含むという。

過去2年間は、台風で収穫前のヒマワリが倒れ、土が付くことで食用として種が取れない状況が続いた。18年は生産できず、19年はなんとか種を集めて29本(1本150cc)を生産。ふるさと納税の返礼品のみの取り扱いとなった。今年は2千本以上が製品化できた。15日から、同市内の小売店や直売所、市観光協会など17カ所で、順次取り扱いを始めている。

そのほか飲食店などに向け、1リットル入りの業務用オイルも販売。オイルを使った商品を開発してもらい、新たな特産品づくりを促したい狙いもある。搾油後の油かすも、市内で卵を生産する養鶏業者に譲り、餌に混ぜて効果的な活用を検討するという。

同商工会の佐藤光政事務局長は「種が取れない中、購入したいというお客さんもいた。今年は生産できて良かった。健康にも優しいオイルなので、ぜひ利用してほしい」と話した。

価格は150cc入り1080円(税込み)。問い合わせは同商工会(電)029(298)0234

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