スケートボードを楽しむ子どもたち

高崎・吉井運動公園にスケートボードパーク 台風被害から手作り“再生”

上毛新聞
2020年12月2日

 昨年10月の台風19号で被災した群馬県高崎市の吉井運動公園ローラースケート場が、市内初のスケートボードパークとして“再出発”した。パーク内には手作りの障害物が並び、自由に遊び回ることができる。長年スケートボードを愛好し、復旧を呼び掛けた同市等広域消防局の消防士、増田啓士さん(37)は「子どもたちの新しい居場所をつくりたい」と話している。

 公園は鏑川に隣接しており、昨年の台風で川の水が堤防を越えて浸水。土砂に埋もれ、利用できなくなった。以前から練習場所としていた増田さんも、仲間と持ち寄っていた障害物が全て流されてしまった。

 他の公園で使用許可を求めたが、遊具や他の利用者とぶつかる危険があるとして拒否された。「他に滑れる場所がない」という仲間の声を受け、思い切って市に相談すると、「あるものをうまく生かそう」と公園の活用が決まったという。

 土砂の撤去が完了した8月、増田さんは仲間と共に高崎スケートボード協会(TSA)を発足。会員制交流サイト(SNS)で始動を宣言すると、県内のスポーツショップなどから「使わなくなった障害物を寄付したい」との声が多数寄せられた。

 譲り受けた障害物は会員と利用者が自ら修理し、管理者が一目で分かるようにオリジナルの色で塗装。公園のごみや石を拾う清掃活動などを続け、安全な練習環境の整備を進めている。将来的には競技仕様のコンクリートに舗装することが目標だ。

 スケートボードは今年予定された東京五輪で新競技に採用されたことを機に、習い事としても人気が高まっている一方、初心者が気軽に練習できる施設は県内にほとんどないという。

 現在、パークの利用者は幼稚園児から社会人まで幅広く、目や耳に障害がある人や不登校の子どもが親子で手を取り合って参加する姿も。増田さんは「誰もが安心して集えるパークを目指したい」と意気込んだ。