親鸞しのぶ「吹雪谷の庵田米」 笠間・西念寺 農村環境保全へ栽培・販売

茨城新聞
2020年11月18日

浄土真宗の開祖、親鸞(1173-1263年)にゆかりがある笠間市稲田の西念寺(稲田真乗住職)が、寺の周囲の農村環境を守ろうと商品化している「吹雪谷の庵田米(いおたまい)」の販売が今年も10月から始まり、親鸞をしのぶ門徒たちから喜ばれている。

同寺は、親鸞が約20年にわたった稲田(笠間市)時代に、布教活動の拠点とした草庵跡地に建てられた古刹。親鸞が同地を去り、京都に帰った後も、稲田の門徒らは、取れた米を「庵田米」と名付けて、京都まで届けていたという。

寺によると、新米の商品化は、稲田住職の父実乗氏(2年前死去)の発案で、寺周辺の水田風景を守りたいとの思いで5年ほど前に始めた。1軒の農家に寺の近くの水田で栽培してもらった米を、市内の米穀店で精米、商品化し、寺が門徒などの希望者に販売している。容器には、水戸市の小瀬勝彦さん(81)が作成したキャラクター・デザイン「いおたんぼう」のシールが貼られている。

坊守(ぼうもり)(住職夫人)の幸子さん(51)は「親鸞聖人をしのぶことができると門徒の方たちに喜ばれ、味も良いと、とても好評」という。

米の栽培を請け負っている農家の男性(78)によると、庵田米は有機肥料、減農薬で栽培したコシヒカリ。栽培面積は約13アールで、今年は9月中旬に約600キロを収穫したという。

商品は1キロ650円、5キロ2800円(ともに税別)の2種類。問い合わせは同寺(電)0296(74)2042

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