文化財で器、旬の料理を ギャラリーとカフェ開業

上毛新聞
2020年10月17日

国の登録有形文化財「旧金谷家住宅主屋」を活用した「器のギャラリー&旬菜カフェ『自在庵』」(横山敏也店主)が16日、桐生市東久方町に開業した。昭和初期建築の古民家を改装し、器作家の逸品を取り扱い、旬の食材を使った料理を提供する。

店名は、横山さん(61)=同市仲町=の曽祖父で、明治期に桐生織物の発展に尽くした嘉兵衛さんが建てた別邸の名称。当時の機業家や文人らが茶会・句会の場としたように、「さまざまな人々が集う交流拠点にしたい」との思いを込めた。

「日々の暮らしを、ていねいに」をコンセプトに、1階入り口側にギャラリーを配置。横山さんが器作家を訪ねて選んだ備前や唐津などの焼き物が並ぶ。11月以降は展示会にも活用してもらう。カフェは8畳間の2室を中心にテーブル席を用意し、日本庭園を眺めながら料理を楽しめる。

今春に会社を定年退職し、起業した横山さんは「これから伸びていく30~40代の作家を中心にそろえた。本物の器でゆったりとした時を過ごしてほしい」と呼び掛ける。

同店は、のこぎり屋根工場を改装した「ベーカリーカフェ レンガ」と同じ敷地内にある。午前11時~午後7時。水曜定休(21日は営業)。問い合わせは同店(0277-47-5133)へ。