美しい漆の世界、ニワトリの卵の殻用いた作品も 水戸で角田さん企画展 絵やびょうぶ29点 

茨城新聞
2020年9月28日

日展会友で大子漆工芸くらぶ講師の角田純一さん(50)=福島県北塩原村在住=の企画展が水戸市備前町の常陽史料館で開かれている。会場には、さまざまな技法で表現された漆絵やびょうぶ、乾漆など29点が展示され、色鮮やかで美しい漆の世界が鑑賞できる内容となっている。会期は11月15日まで。入場無料。

角田さんは会津若松市出身。会津塗を家業とする家庭に生まれ、20歳でこの世界に入った。1997年の「第36回日本現代工芸美術展」で初入選するなど多数の受賞歴を持つ。現在、裏磐梯に工房を構え、新しい技法に挑戦しながら、創作活動を行う。

今展は、角田さんの30年間の代表作品が並ぶ。中でも、裏磐梯の五色沼に光が降り注ぐ様を、金粉を埋め込む技法「沈金」を用いた作品「光のハーモニー」や、ニワトリの卵の殻で表現した作品「渦」などが目を引く。「漆には白色がない。卵の殻で白い渦を表現した」という。

角田さんは「茨城での個展は今回が初めて。漆独特の光沢の美しさや、さまざな技法を見てもらいたい」と来場を呼び掛ける。大子漆工芸くらぶの生徒で水戸市の自営業、芳賀晴美さん(71)は「ノスタルジックな作品など(角田先生の)いろいろな作風があり、素晴らしい」と見入っていた。

また、同館セミナールームでは、大子漆工芸くらぶの生徒の作品が展示されている。作品が完成次第、「袋田の滝」(大子町)「偕楽園」(水戸市)など、茨城県にちなんだ作品も追加展示される。開館時間は午前10時~午後5時45分。月曜休館。問い合わせは(電)029(228)1781

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