芸術家の構想に着目 名作の過程紹介 茨城県近代美術館企画展 22日まで

茨城新聞
2020年9月8日

芸術家の構想などに着目した企画展「名作のつくりかた」が、水戸市千波町の県近代美術館で開かれている。作家がどんな考えで作品に取り組んだか、制作の裏側に迫る内容。通常は見せない完成作品以外のものにも焦点を当て、「なぜこういう作品になったのか」を紹介している。22日まで。茨城新聞社など後援。

会場では、中村彝(つね)の静物画「静物」(1919年)を展示。完成作品は一見すると、画面中央を縦に貫く木製の棒のようなものが異様に感じる。会場に彝が実際に使っていた遺品の椅子やテーブルを展示することで、木製の棒がテーブルの一部と分かる。

中村彝「静物」(1919年)=水戸市千波町

テーブルに果物やポットを置くことで、どんな構図で描いたのかも知ることができる。その構図がフランスの画家、ポール・セザンヌ(1839~1906年)の静物作品に似ていることから、彝がセザンヌの影響を受けていたことも推し量ることができる。

そのほか、中西利雄の「彫刻と女」(1939年)は、完成作品と下絵を並べて比較。下絵では2人いる女性を1人にし、明るい黄色の着物姿で大きく描いた作家の意図を読み解く。

同館担当者は「名作が『なぜ良いのか』という疑問を入り口に、作品について詳しく掘り下げている。作家の試行錯誤の過程を知ると、作品の違った側面が見えてくる」と、展覧会の魅力を話す。そのほか、人気の高い菱田春草「落葉」を中心に絵画、ブロンズ作品などを見ることができる。

入場料一般730円、満70歳以上360円(15~21日は無料)、高校・大学生490円、小中学生240円。団体割引有り。土曜日は高校生以下無料。

月曜休館。新型コロナウイルス感染予防対策として、出入り口にアルコール消毒液を用意し、入場者にはマスク着用を呼び掛ける。混雑した場合は、入場制限も実施する。問い合わせは同館(電)029(243)5111

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