みそ漬けを健康的な新調味料に たむらやが新ブランド「みそデリ」

上毛新聞
2020年9月4日

漬物の製造販売を手掛けるたむらや(前橋市千代田町、高橋基雄社長)は、新たな商品ブランド「みそデリ」を立ち上げた。みそ漬けに含まれる乳酸菌を生かしたペースト状の調味料で、スープや煮付け、炒め物などのもととして使える。食生活の変化で漬物の消費量が減る中、漬物の新たな使い方を開拓し、購買層の拡大を目指す。

構想から2年かけ、「おいしさ、健康、簡単」をキーワードに開発した。ベースはみそ漬けを細かく粉砕したもので、含有量の約半分に同社の「みそ漬・大根」を使用する。

1パック120グラム入りで、400円。スープのもとは「プレーン」「マサラ」「コリアンダー+クミン」の3種、煮付けのもとは「プレーン」「山椒(さんしょう)の実」の2種、炒め物のもとは「カスリメティ」「レッドホットミックス」の2種がある。ハーブによるうま味が特徴で、みそ味は隠れている。インド人シェフの意見を取り入れた。

森永乳業(東京都)の「シールド乳酸菌」を加えたほか、コラーゲンや食物繊維も配合し、美容や健康意識の高い層にもアピールする。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自宅で食事をする人が増えたことも商機と捉える。みそデリ1本で料理の味が決まる手軽さが、共働きなど料理に時間を割くことができない家庭の需要に合致すると見込む。

みそデリは商標登録を出願中で、今後も種類を増やしていく方針。動画投稿サイト「ユーチューブ」では、商品を活用した料理のレシピや商品の製造工程などを紹介している。

同社は今年、創業130年を迎えた。高橋社長は「漬物を『食べる』から『使う』に転換していきたい」と意気込んでいる。