《いきものZOO鑑inかみね動物園》きぼう(ライオン) マイペースな百獣の王

茨城新聞
2020年8月7日

立派なたてがみを持ち、「百獣の王」としての風格を漂わせる。ライオンのきぼうは、東日本大震災の発生から5日後にかみね動物園で誕生し、地域の復興とともに成長した。震災で同園や街が被害を受け、市民らが不安を抱える中、「人々に希望を与える存在になってほしい」と復興への願いを込めて名付けられた。

当時は愛くるしい姿を見せていたが、現在は亡き父の跡を継ぎ、威厳ある雄ライオンに育った。

体長は約190センチ、体重は約180キロ。食事は1日1回、牛肉とニワトリの頭が与えられる。多い日で計7キロをペロリと平らげる。

ライオンはネコ科では珍しく、「プライド」と呼ばれる群れを形成。きぼうは母親のバルミー(12歳)と妹のジュン(7歳)、オー(同)と仲良く暮らす。性格はマイペース。妹がじゃれてきても、遊びの誘いには乗らない。

小高い丘に吹く心地よい風を受けながら、りりしい表情で園内を眺める。時折あおむけになっておなかを出したり、あくびや伸びをしたりとのんびり過ごす。飼育員の風間健心さん(23)は「目や耳の細かい動きに注目してほしい。彼なりに気になることがある」と話す。(随時掲載)

【メモ】2011年3月16日生まれ。バルミーに似て、頭の縦じわが多い。野生ではアフリカ中南部などに生息。

地図を開く 近くのニュース