広がるうま味丸ごと 姫鱒のムニエル 欧州浪漫館シェ・ホシノ(日光)

下野新聞
2020年8月1日

 カリッとした皮とは対照的に、頬張るとジューシーなうま味が広がる。

 中禅寺湖の代表的な魚であるヒメマスをぜいたくに丸ごと使ったムニエルは、1991年の創業から変わらない看板メニュー。

 身の中心部分ほど生に近い焼き方が特徴で、焦がしバターと子牛のだしなどで作ったさっぱりとしたソースとの相性は抜群だ。オーナーシェフの星野仁志(ほしのひとし)さん(66)は「ヒメマスは姿がきれいなので丸ごと食べてもらいたい。フランス料理は本来パンだが、ご飯にも合う味付けにしている」と説明する。

 大学卒業後、家業の食堂と物産店で働いていた。しかし34歳の時、かつてヨーロッパ諸国の別荘地として栄え、その文化が息づいていたころの地元をもう一度作り出したいとの思いで一念発起した。

 宇都宮市のオトワレストランのオーナーシェフ音羽和紀(おとわかずのり)さんの下でフランス料理を学んだ。料理人と地域との関わりの大切さについても教わり、店では日光や県内の食材を意識して使用しているという。

 店は中禅寺湖畔にあり、雄大な自然を感じながら優雅なひとときを堪能できる。星野さんは「料理を通じて、別荘文化が栄えた奥日光を楽しんでもらいながら語りたい」と話した。

 【メモ】季節限定の「姫鱒(ひめます)のムニエル」は単品2千円(税別)。メインディッシュを選べてライスやデザートなどが付いたランチコースは2200円(同)から▽日光市中宮祠2478▽営業時間 午前11時半~午後3時、午後6時~同8時▽定休日 木曜(季節により不定休あり)▽(問)0288・55・0212

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