初期彫刻から「スフィンクス」 好奇心の足跡を追う 舟越桂展・県立館林美術館 

上毛新聞
2015年11月13日

物憂げな表情の半身像で知られる彫刻家、舟越桂さんの作品を紹介する企画展「私の中のスフィンクス」が12月6日まで、県立館林美術館(館林市日向町)で開かれている。半身像のほか、半人半獣、雌雄同体のスフィンクスシリーズなど、初期作品から最新作までの約70点を通して、日本を代表する彫刻家の歩みをたどることができる。
舟越さんは1951年、盛岡市生まれ。東京芸術大大学院時代に木彫を始め、クスノキと出合って以来、クスノキを素材とした作品を作り続けている。
大理石の目が遠くを見つめ、静かにたたずむ木彫半身像。80年代の作品は、独特の表情が人間のリアリティーを生み出している。90年代に入ると、二つの頭を一つの胴体につける異形の姿、人間の存在の大きさと山を重ね合わせた表現へと、変化を重ねていく。
裸体像から人間の不思議さや深さを追究する試みは、2000年代に本格化。「人間とは何か」と問い掛けるスフィンクスシリーズへつながっていく。「森のようにひとり」をはじめとする新作は、これからの展開を予見させる。
3期にわたる作品の移り変わりとともに作者の新しく自由な発想、とどまることのない好奇心を垣間見ることができる。
同館学芸員の神尾玲子さんは「近年のスフィンクスをはじめ、初期作品からの流れとともに、今後も続いていく作品を見てほしい」と来場を呼び掛けている。
同展は6月に兵庫県で行われたのを皮切りに、全国4か所で開かれる巡回展の一つ。彫刻のほか、素描や版画なども紹介している。

【メモ】一般820円など。午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)。月曜休館。23日は開館し、翌24日が休館。問い合わせは同館(☎0276・72・8188)へ。

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