茨城空港の海外向け愛称案 頭に「Tokyo」 有識者会議選「Tokyo Ibaraki International Airport」

茨城新聞
2020年5月30日

茨城空港(小美玉市)の愛称変更について話し合う有識者会議(座長・戸崎肇桜美林大教授)は、海外向けの最終候補案に「Tokyo Ibaraki International Airport」を選定した。今後、県への答申を経て、早ければ6月上旬にも大井川和彦知事が最終決定する見通し。

会合は非公開。新型コロナウイルス感染防止のため、ウェブ会議で行われた。同会議は3月の前回会合で、最終候補案を含む六つの案を示していた。この日は、航空会社や旅行業社らで構成するメンバー9人全員が最終候補案に賛同し、国内向けについては従来通り「茨城空港」とすることで一致した。

会合後の会見で、戸崎座長は選定理由を「茨城は国際的な認知度が低い。海外へのプロモーションのためには『東京』という言葉は魅力的」と説明。International(国際)については、「茨城空港が国際線の就航にも備えているという点をアピールできる」とし、海外の航空会社へのセールスのツールとして有効性を強調した。

選定に先立ち、県は4月23日から1カ月間、各候補案などに対するパブリックコメント(意見公募)を実施。その結果、60人から意見が寄せられ、「東京に非常に近接しているという誤解を与える」など否定的な意見も多かったという。

戸崎座長は「プロモーションの際、誤解を与えないような説明をする必要がある」と、意見を踏まえた対応の必要性を述べた。その上で「いずれも県民の郷土愛から来た意見。十分に考慮したい」と話した。

県空港対策課によると、海外への売り込みでは茨城の認知度の低さが課題となっている。「東京」や「国際」を含んだ愛称を武器に首都圏への近接性などをPRすることで、「新型コロナウイルス収束後を見据えた、さらなるインバウンド誘致を進めたい」考えだ。

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