《食いこ》Sinamonn(境町) 親目線のシフォンケーキ

茨城新聞
2020年3月29日

境町の「Sinamonn(シナモン)」は赤沢真広さん(35)、裕美さん(35)夫妻が営むシフォンケーキの工房。真広さんの実家の一画で、夫妻はおいしさだけでなく、2人の子どもの親として材料を吟味したシフォンケーキ作りに励む。工房直売のほか、農産物直売所やイベントで販売する。

シフォンケーキ作りについて、裕美さんは「安心して子どもに離乳食やおやつとして食べさせられるように、卵や小麦粉、砂糖、植物油など誰もが分かる食材しか使わない」と安全安心を意識する。近くの養鶏場から仕入れる卵は「新鮮だからしっかり卵白が泡立つ」。膨張剤は使わず、メレンゲの力で膨らませ「ふわふわ、しっとり」に焼き上げる。

新潟県出身の裕美さんは山に囲まれた雪国育ち。本県の広々とした畑で取れる農産物は「とても魅力的」に映る。「地元の良さを知ってもらいたい」と、農業を営む真広さんの両親が作る農産物など地場産を取り入れる。今の季節なら同町産イチゴをシフォンサンドにクリームと挟んだり、乾燥させて生地に練り込んだり。夏はブルーベリー、秋は栗やサツマイモ。町特産のさしま茶はアールグレー、ほうじ茶、玄米茶の3種類。「お茶の味の表情が出やすく、シフォンケーキに合う茶葉を探した」と裕美さん。デコレーションしたホールケーキの注文も受け付ける。

夫妻は調理師専門学校の同級生。裕美さんは3年前、好きな菓子作りを仕事にしようとシナモンを始めた。五霞町の道の駅に出すようになり、今では境町の道の駅や西南医療センター、坂東市の農産物直売所など販路が広がった。

料理人だった真広さんが2年前シナモンに加わり、茨城や千葉などのイベントに出店するようになった。裕美さんは「自分からお客さんに会いに行け、直接触れ合える」と喜ぶ。キッチンカーは丸みのある白のトレーラーで「内装はナチュラルでかわいらしい感じ」に夫妻で仕上げた。

現在新型コロナウイルスの感染拡大の影響でイベント中止が相次ぐが、「ゆくゆくは食事も出したい。お母さんたちがほっと一息つける場所を作りたい」と夢を描く。

■お出かけ情報
Sinamonn
▼住所は境町伏木2639
▼(電)070(4060)8989

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