《北毛発 温泉百景》宝川 渓流沿いの大露天風呂 自然と一体 外国人注目

上毛新聞
2015年11月7日

利根川上流域の宝川。渓流に沿って広大な四つの露天風呂と一軒宿「宝川温泉 汪泉閣」(みなかみ町藤原)が並ぶ。豊かな自然と一体となった温泉を楽しめるとして外国人に人気のスポットだ。紅葉がピークとなり、1年で最も入浴客が訪れる時季を迎えている。
宿の特徴は宝川の水の流れを間近に感じられる大露天風呂。200畳の「子宝の湯」、120畳の「摩訶(まか)の湯」、湯船が浅い50畳の「般若の湯」の三つの混浴と女性専用の100畳の「摩耶(まや)の湯」が広がる。女性には湯あみ着を貸し出している。
大正年代は山奥にたたずむひっそりとした湯治場だったが、昭和になってダムが建設され、道路や電気が通り始めると次第に旅館として発展した。
「日本に駐留する米軍の人たちが訪れていたので海外でも宝川温泉のことを知っている人はいた」と総支配人の小野竹男さん(61)は話す。10年ほど前から世界的な旅行ガイドブックで紹介され、急激に欧米からの宿泊者が増えだしたという。東日本大震災後は一時的に落ち込んだものの、外国人誘客を進める政府と県が台湾やタイなどアジアを中心に旅行業者やメディア関係者に働きかけたことで外国人客の数が震災以前よりも増え、今年は年間宿泊者数の2割以上を占める6千人を超える勢いだ。
大自然に溶けこむ露天風呂で楽しむ混浴文化。この魅力を求めてますます客足は伸びそうだ。外国語ができる従業員を配置するなど万全の備えをした上で、小野さんは「訪れる方は都会のホテルのようなサービスを求めているわけではない。あくまで昔からの自然体のもてなしが大切」と強調する。

地図

地図を開く 近くのニュース