茨城県最初の営業写真館 宇佐美竹城の企画展 明治期の水戸を活写 県立歴史館

茨城新聞
2019年11月27日

水戸に茨城県最初の営業写真館を開業した宇佐美竹城(ちくじょう)(1840~1889年)が撮影した写真を集めたギャラリー展が、水戸市緑町の県立歴史館で開かれている。明治初~中期に撮影した水戸城や千波湖の様子などが収められており、訪れる人の目を引いている。

宇佐美は久慈郡太田村(現・常陸太田市)の豪農の出身。営業写真家の先駆者の一人である下岡蓮杖に写真術を学んだとされ、1872(明治5)年に水戸上市の雷神社境内に写真館を開いた。

写真館は竹城死去後も存続したが、1945(昭和20)年8月の水戸空襲で焼失した。現存する写真は少ない。

県立歴史館は今回の展示を前に31種類38点を確認。デジタル化して拡大し、パネル展示した。鶏卵紙写真が27点で多数を占めるが、より画質が鮮明なガラス板写真などもある。会場では、随時入れ替えながら15点ほどを展示している。

明治期の水戸城は、大手門や三階櫓(さんかいやぐら)、多聞櫓などが撮影されている。特に大手門は1888(明治21)年の県師範学校移転前に解体されているため、当時を伝える貴重な写真。三階櫓は現在の水戸三高の敷地内にあったが、水戸空襲で焼失した。

現在の湖の4倍近くあったという明治期の千波湖のパノラマ写真も目を引く。空襲で焼失する以前の好文亭のたたずまいを撮った写真も趣深い。このほか同時期の西山荘(常陸太田市)の写真なども公開している。

県立歴史館の石井裕主任研究員は「竹城は本県ゆかりの人物や風景の写真をもっと数多く撮影したはず。(竹城の)名前があまり知られてはいないので、そのまま眠ったままのものもあるのでは」と話している。

同ギャラリー写真展は12月22日まで。また、同時期に開催中のテーマ展「近代茨城の群像」で、竹城が使用したレンズも展示している。同歴史館(電)029(225)4425。月曜休館。

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