馬上の妙技に歓声 笠間稲荷流鏑馬

茨城新聞
2019年11月4日

笠間稲荷神社の「神事流鏑馬(やぶさめ)」が3日、笠間市笠間の笠間小前特設馬場で行われた。大勢の観客が見守る中、疾走する馬上から弓矢で的を射る伝統の妙技が披露された。

農業の豊凶を占う儀式として1950年に始まり、今年で70回目。鶴岡八幡宮、日光東照宮とともに「関東三大流鏑馬」の一つに数えられている。

市道約260メートルの区間に砂道の特設馬場を作り、鎌倉時代の装束を身に着けた小笠原流弓馬術一門の射手が「陰陽」と叫びながら、3カ所の的に挑んだ。人馬一体の動きで鏑矢(かぶらや)を放ち、命中するたびに観客から歓声が上がった。稲敷市から家族と訪れた小学5年生の荒川ゆなさん(10)は「矢が的に当たった時の音が大きくて迫力いっぱいだった」と笑顔で話した。

神事は午前と午後の計2回行われ、命中した矢の数で占う来年の豊凶は「春先、田植えのころまでは順調。その後、天候不順。稲刈りのころは水害に注意。作柄はやや良」(同神社)という。

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