土浦駅ビル 星野リゾートが新ホテル 来春、県内初 自転車や観光拠点に

茨城新聞
2019年10月1日

JR土浦駅ビルを改装した日本最大級のサイクル拠点「プレイアトレ土浦」について、JR東日本子会社のアトレ(東京、一ノ瀬俊郎社長)は30日、来年3月19日に星野リゾート(長野県軽井沢町、星野佳路代表)が運営するホテル「BEB5(ベブファイブ) 土浦」を開業すると発表した。同社の本県進出は初めて。自転車愛好家や観光客向けの宿泊拠点とする。県は同日、ホテルなどの誘致を図る宿泊施設立地促進事業の第1号に認定、補助金約1億円を交付する見込みと発表した。

同ホテルはプレイアトレの3~5階に入り、延べ床面積は約5千平方メートル。90の客室を設け、カフェなどを併設するパブリックスペースを設ける。客室の平均面積は約26平方メートルで、自転車の持ち込みが可能。宿泊料金は1人当たり1泊6千円(1部屋2人利用)から。事業費は約30億円となる。

星野リゾートによると、BEB5は今年2月に長野県軽井沢町で開業した五つ目のブランド。旅行離れが指摘される20~30代を主なターゲットとした。飲み物が持ち込めたり、パブリックスペースを24時間利用できたりするほか、チェックアウトも「大体11時」と設定。35歳以下については、時期や曜日による変動がない均一料金制を採用している。

東京都内で開かれた会見で、一ノ瀬社長は同駅ビルの年商がピーク時(1991年)の112億円から20億円にまで落ち込んだ状況を説明。「チャレンジしないといけないという意識で取り組んでいる」と力を込めた。星野代表は都内からの近さを利点に「簡単にちょっとした旅が体験できる」とし、年間の稼働目標を80%以上と明かした。大井川和彦知事は「本県の宿泊施設のフラッグシップ(旗艦)となり得る」と期待を寄せた。

プレイアトレ土浦はサイクルショップなどを備える「りんりんスクエア土浦」やレストラン、書店などで構成する。

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