茨城国体文化プログラム 県近代美術館で大観展 「山路」40年ぶり公開 28日から

茨城新聞
2019年9月28日

水戸市出身の近代日本画の巨匠、横山大観(1868~1958年)の東京芸大時代から晩年までの代表作約45点が並ぶ企画展示「茨城国体開催記念 横山大観」が28日、同市千波町の県近代美術館で始まる。1979年以降公開されなかった名作「山路(やまじ)」(11年・個人蔵)を約40年ぶりに一般公開。茨城国体・全国障害者スポーツ大会の文化プログラムとして、大観芸術を通じ、本県の文化芸術の魅力を発信する。会期は10月27日まで。

大観は同一主題の作品を頻繁に制作した。馬を引く人物が山道を歩く様子を描いた「山路」もその一つ。油絵のタッチを日本画に応用した意欲作だ。同館首席学芸員の今瀬佐和さんは「絵の具の使い方が斬新。その後の日本画の描き方に影響を与えた作品」と話す。現在までに3点あることが知られており、その内の2点は、永青文庫と京都国立近代美術館がそれぞれ所蔵している。

今展の目玉として展示する「山路」は、約40年間公の場から姿を消していたもう一つの作品。77年の「横山大観パリ展」に出品され、79年の画集掲載以降は公開されていなかった。

また、自らの画業50年と皇紀2600年を記念して40年に制作した連作「海山十題」計20点の中から、壮大な富士山が背景に描かれた「山に因む十題 霊峰四趣(れいほうよんしゅ) 春」(県近代美術館蔵)、「山に因む十題 霊峰四趣 秋」(ポーラ美術館蔵)の2点を展示。作品の売り上げを陸海両軍に献上するなど、大観と国家との色濃いつながりを表す連作は、画業の集大成とされる。

今瀬さんは「大観は他の人がやらないことをやろうとした人で、さまざまな表現を常に研究していた。当時の現代美術と言える面白みがある」と話した。

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