哀愁とロマン感じて 竹久夢二展 美人画やスケッチ200点 県近代美術館

茨城新聞
2019年9月8日

叙情的な美人画で大正期に一世を風靡(ふうび)した竹久夢二(1884~1934年)の多彩な芸術世界を紹介する企画展「憧れの欧米への旅 竹久夢二展」が7日、水戸市千波町の県近代美術館で始まった。日本有数の竹久夢二コレクターとして知られる中右瑛(なかうえい)氏の所蔵品の中から、初期から晩年までの哀愁とロマンあふれる肉筆画やスケッチなど約200点を展示している。

夢二流の美人像は、大きな瞳に愁いを帯びた表情、細身で優美な曲線で描かれ、「夢二式美人」と呼ばれ人気を博した。振り向く舞妓(まいこ)の姿を捉えた「舞妓舞扇」(1917年)は、大きなだらり帯に桜紋の着物を身に着けた舞妓が、扇子を手に、チョウのように舞う。

夢二の仕事は画家にとどまらず、今でいうイラストレーターやデザイナーの顔も持つ。封筒や絵はがきのデザイン、本の装丁なども手掛けた。

また、晩年の欧米旅行で残された人物や風景などのスケッチが並び、芸術の理想を模索しようとする夢二の心情が伝わる。参考展示の中には、日立鉱山の大煙突が描き込まれた18年ごろの風景スケッチもある。

鑑賞した石岡市、主婦、鈴木優子さん(40)は「夢二の人生に触れられて、美人画の面白さを感じ、デザインの先駆けを見られた」と感想を話した。

同展は10月27日まで。会期中、さまざまな関連イベントを予定している。21日は、午後1時半から中右氏の講演会を開く。

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