華厳の滝 落水増量 中禅寺湖の水位回復 先月多雨で夏休み豪快に

下野新聞
2019年7月16日

 県は12日、日光市の華厳の滝の落水量を前日までの毎秒1・5トンから2・5トンに増やした。6月の多雨で中禅寺湖の水位が平年並みに回復したためで、夏休みに訪れる観光客に豪快な滝の姿を楽しんでもらおうと、8月末まで継続する。今春までの少雨で県はゴールデンウイーク(GW)に落水量を増やせなかったことから、担当者は「夏休みまでに湖の水位が回復し、ほっとしている」と胸をなで下ろしている。

 中禅寺湖の水は、県県土整備部が管理する中禅寺ダムを経て華厳の滝として流れ落ちる。同部は湖の水位などを考慮し、滝の落水量を調整している。毎秒2・5トンとしたのは2015年夏以来、4年ぶりという。

 気象庁によると、今年1~3月の奥日光の降水量は平年の半分の110ミリだった。湖の水位は下がり、同部は2月から滝の落水量を下限の毎秒0・3トンに設定。夕方から翌朝まで放水を止めた時期もあった。それでも湖の水位は4月下旬まで低下を続け、最大で平年値を40センチも下回り、日中は放水を止める恐れもあった。

 GW入りの直前、雪解けにより湖の水位は徐々に上昇したが「どこまで回復するか不安だった」(同部)ため、GW中の落水量は毎秒0・3トンを維持。10連休で大勢の観光客が訪れただけに、担当者は「本来ならば落水量を毎秒1トンほどにしたかった」と残念がる。

 奥日光はその後、6月に平年の約1・4倍の雨が降るなどし、湖の水位は7月8日に平年並みに回復した。同部は水位上昇に合わせ、滝の落水量を毎秒0・5トン、1・5トンと徐々に増やしていた。