県近代美術館 「生誕90周年記念 手塚治虫展」 「マンガの神様」原画や愛用品

茨城新聞
2019年6月15日

「マンガの神様」と称される漫画家、手塚治虫(1928~89年)の生涯と作品の軌跡をたどる生誕90周年記念の企画展が15日、水戸市千波町の県近代美術館で開幕した。鉄腕アトム」など不朽の名作の数々から厳選した直筆の原画約300枚や幼少期の姿が収められた貴重な映像資料、ベレー帽などの愛用品を展示。作品に込められた読者へのメッセージを紹介するほか、自身のルーツを描いた本県ゆかりの作品「陽だまりの樹」を特別展示する。

手塚は大阪府生まれ。46年に漫画家デビューした。「火の鳥」「ブラック・ジャック」「ジャングル大帝」「リボンの騎士」などを世に送り出した日本のストーリー漫画の「生みの親」。アニメーションの世界でも多大な功績を残した。

同展は「生誕90周年記念事業」の一環として、手塚プロダクションが企画制作。これまで福岡県の2カ所で開催し、3カ所目の今回は関東で初開催となる。

展示内容は全3部で構成する。1部では、デビュー前までの生い立ちを紹介。幼少期の手塚の姿を父親の粲(ゆたか)が家庭映写機で収めた映像記録、10代の頃に昆虫の標本を緻密に描いた写生画、戦争を体験した本人のコメントなどが並ぶ。2部は、ストーリー性のある新たな漫画表現を確立した「先駆者」がテーマ。代表的な作品の直筆原稿やセル画を通し、独自のこま送りなど先駆的な表現や制作手法に触れる。3部は、「生と死」「希望」など作品に込められたメッセージを代表作11点と共に公開する。

また、幕末を舞台に常陸府中藩(現石岡市)の藩士と医師の2人の青年を主人公とした長編漫画「陽だまりの樹」に焦点を当てる。手塚は常陸府中藩に仕えた藩医、手塚良仙の子孫。その息子で主人公の医師、手塚良庵は曽祖父(そうそふ)に当たり、藤田東湖など本県ゆかりの先人も登場する。茨城限定の特別展示として、直筆の原稿と共に古文書などの関連資料を紹介する。

同館の井野功一首席学芸員は「手塚が思い描いた未来と現代を重ね合わせて見てもらうと、手塚の普遍性が伝わってくる」と話す。

同展は8月25日まで。会期中は多彩な関連行事が予定されている。6月22日午前11時と午後2時は、アニメ「海底超特急マリン・エクスプレス」を上映。30日午前11時と午後2時には、手塚アニメの制作に携わった手塚プロダクションの清水義裕さんが作品解説するとともに当時の思い出などを語る。

入館料は一般980円、70歳以上490円、高校・大学生720円、小中学生360円。月曜休館。

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