茨城県立歴史館、ギャラリー展 大観のルーツ探る

茨城新聞
2019年3月8日

水戸市出身の日本画の巨匠、横山大観のルーツを探るギャラリー展「横山大観と酒井家」が水戸市緑町の県立歴史館で開かれている。大観の生家の酒井家に関わる人々が、水戸藩の財政や海防、絵図製作などで活躍していたことを示す貴重な資料を公開し、その多彩な才能を受け継いだ「画聖大観」誕生の背景を紹介している。会期は24日まで。

酒井家は水戸藩の勘定奉行を務めるなど、中級藩士として藩政を支えていた。大観は1868年、酒井捨彦(すてひこ)の長男として生まれ、88年に母方の縁戚、横山家の養子となっている。

大観の曽祖父・酒井喜昌(よしまさ)は徳川斉昭の下で勘定奉行として手腕を振るい、祖父・酒井喜熙(よしひろ)、父・捨彦は地図学者として名をはせた。伯父の酒井喜雄(よしお)、渋江信夫も製図や国文学などで多才ぶりを発揮している。

今展の展示資料は約30点。酒井家に伝わった江戸時代後期の水戸城下の屋敷の配置を描いた「古水戸屋敷割全図」や、父捨彦が1879年に編さんした千葉県の色付き地図「下総国全図」、伯父喜雄が詠んだ和歌232首などを収録した「常陸ふ里」が並ぶほか、酒井家の動向が記された家譜や書簡などがそろう。

その他、大観が描いた刊行本の挿絵や装丁画を展示。島崎藤村の詩集に添えた女性像などを紹介している。主任研究員の石井裕さんは「酒井家の人々は縁戚も含め、文学や絵画にも造詣が深かった」と説明し、「大観にはその学術的エッセンスが凝縮されて受け継がれたと言える」と話した。

9日午後1時半から、石井さんによる展示解説が行われる。 

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