《旬もの》気まぐれ店主の芋屋(城里町) 自家栽培、甘いつぼ焼き

茨城新聞
2018年12月16日

城里町の「気まぐれ店主の芋屋」は代表の井出光弘さん(47)が自動車整備業の傍ら始めた。プレハブを改装した建物に素焼きのつぼが二つ並んでいた。中をのぞくと、サツマ芋が1本ずつ籠に入って焼かれていた。井出さんが「無肥料、無農薬、無除草剤が基本」の自然栽培で育てた「べにはるか」が甘い焼き芋になる。「自然栽培の芋とつぼ焼きの相乗効果で中身がぐっと詰まった焼き芋ができる。無農薬だから皮ごと食べてもらいたい」

2人の子どもの父親として以前から食への関心が高かったという井出さんは、東日本大震災を経験し「お金があっても食べ物がなくては子どもを育てていけない。農業を継承していこう」と県立農業大学校の営農塾に通いながら、自然栽培の農業を始めた。サツマ芋だけでなく、大豆や米、もち米の栽培も行う。

焼き芋というと石焼きのイメージが強いが、「昔はつぼ焼きがおいしかった」と年配の知人から聞き、2013年ごろから本格的につぼ焼き芋を始めた。いろいろな品種を試したが、べにはるかがつぼ焼きに適していたという。10、11月に収穫後、約1カ月熟成する。今年は11月下旬から焼き始め、芋がなくなる3月上旬ごろまで続ける予定。

自動車整備の仕事の合間に始めたから店名を「気まぐれ」と付けたが、母のり子さん(71)や姉が手伝うようになり「気まぐれじゃなくなった」。

つぼを温めるのに3、4時間。つぼ焼きするのに約1時間。1日に焼けるのは多くても60本ほど。焼いている間は4、5回上下を返したり焼く位置を変えたり。「火が強いと焦げるし、弱いとしぼんでしまう」ため、火加減の調節にも気を使う。最近はすっかりのり子さんがつぼ焼きの担当になった。

焼き上がったら冷まして透明な袋に密封するため、焼きたてを手にするのは難しい。「足を運んでもらってタイミングが合えば熱々を食べられるが、かなりまれ。袋から脱酸素剤を出して電子レンジで温めて食べて」と井出さん。

パックの焼き芋は同町の物産センター山桜やホロルの湯、道の駅かつら、水戸市の水戸ドライブインなどに出す。

焼き芋や干し芋を使ったジェラートも商品化した。寒さが厳しくなり、干し芋作りが始まった。

■メモ
気まぐれ店主の芋屋
▽住所は城里町北方2200の2
▽(電)029(289)4632

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