桜川・真壁城跡 庭園に導く園路確認 小川見立てた排水溝か

茨城新聞
2018年11月29日

桜川市真壁町古城の国指定史跡・真壁城跡の本年度発掘調査で、市教育委員会は28日、中城庭園跡に導く園路を確認したと発表した。園路周辺では調理場や植木の跡などもあり、市教委は「どのように最上のもてなしを行う庭園に導いたのかが明らかになりつつある」としている。12月1日に現地説明会を開き、一般公開する。

真壁城は室町-安土桃山時代に築かれた真壁氏累代の居城。1997年から発掘調査を始め、現在は中城地区(三の丸)中央部の中城庭園の全体像解明を目指している。これまでの調査で中城庭園跡は面積6千平方メートルを超え、池跡や茶室跡、能舞台跡などが確認されている。本年度は庭園外西側に位置する周辺部を調査していた。

周辺部では、正門に続くようにU字状に砂や小砂利が見つかり、庭園へと導く園路と推測された。火を使った炉や井戸の跡が見られ、調理場が存在した可能性が高いことも分かった。園路の外側には雨を流す排水溝が確認された上に、溝は石で装飾された形跡があった。市教委は「庭園に向かう人に見せるため小川に見立てた排水溝ではないか。見栄えを考えながら造られたのでは」としている。

来年度は、園路の南側の調査を進め、さらに全体像を明らかにしたい考えだ。

現地説明会は、12月1日の午前10時半と午後1時半の2回開催。問い合わせは市教育委員会生涯学習課(電)0296(20)6300

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